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【乾坤一筆】失敗のたび指導者が罵声…野球少年は減少

【乾坤一筆】

失敗のたび指導者が罵声…野球少年は減少

特集:
ベテラン記者コラム・乾坤一筆

 この教室は、日本でも有数の歴史あるサッカースクールが開催した。この「ユルさ」に、底辺拡大への意識の高さを感じた。競技への興味を引かせるため、試行錯誤を繰り返してきたのだろう。

 野球はどうだ。別の場所で少年野球の試合を見たときは、大人の罵声ばかりが聞こえた。低学年のチームなのにバントのサインを繰り返し、失敗が出ては怒っていた。子供を野球チームに預けている後輩と飲んだ際には、「長く監督やコーチを務めている方は、やり方を変えないんです」と漏らしていた。

 42歳の記者の少年時代とは、2競技の裾野の広さは逆転した。各種調査で男の子の夢のランキング1位はサッカー選手。野球選手が2位に入らない調査もある。長男の小学校に3年生男子は52人いるが、半分以上の27人がサッカークラブやスクールに通う。野球はわずか3人。怒鳴る相手は、いなくなっている。

須田 雅弘(すだ・まさひろ)

 1997年入社。ゴルフのマスターズ、サッカーW杯などを取材し、2014年10月から運動部デスク。国学院久我山高時代は野球部も、公式戦出場はゼロ。42歳。19日に受けたばかりの健康診断の数値で1メートル76、65キロ。