JR東日本と西日本は9日、東北、秋田、山形、上越、北陸各新幹線の半数以上の車両で、来年春から防犯カメラによる常時撮影と録画を順次開始すると発表した。東海道・山陽新幹線でも同様のカメラを今年度から順次導入することが既に決まっている。
今年6月の東海道新幹線放火事件を受けた措置。JR東日本と西日本は、異常時に客室内の状況をいち早く確認でき、犯罪抑止にも効果があると説明している。
客室内では両端のドア上付近から撮影、映像は車内で保存するが、保存期間など詳細は明らかにしていない。現在、デッキには一部車両を除いて防犯カメラがあり、常時録画している。JR東は「録画した画像は見られる社員を限定するなど厳正に取り扱う。業務上、公益上の必要性がなければ閲覧できないルールを設ける」としている。
常時撮影録画するのはJR東の新幹線全1403両のうち838両で約3年かけて実施。JR西も北陸新幹線W7系の全132両で録画する。
東北新幹線のE5系、秋田新幹線のE6系、北陸新幹線のE7系には、全車両の客室内に防犯カメラが既に設置されており、現在は非常ボタンが押された後に撮影するが、常時撮影するようシステムを改修する。
東北、山形、上越新幹線で使われているE2系・E3系の一部車両の客室内には新たに防犯カメラを設置する。上越新幹線のE4系などの車両には導入しない。今後、カメラを設置した新車に置き換えて対応する。
東海道・山陽新幹線の客室内の防犯カメラは2018年度までに順次導入。九州新幹線でもJR九州が導入を検討している。JR北海道は来年3月に開業予定の北海道新幹線で使用するH5系車両にJR東と同様のシステムを取り入れる方針。〔共同〕