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記者会見

平成28年4月22日更新

舛添知事定例記者会見
平成28年4月22日(金曜)
14時00分〜14時30分

知事冒頭発言

1 熊本地震について

【知事】私の方から、まず3点ございます。
 第1点、熊本地震についてでございます。本当に改めまして、亡くなられた方々へのご冥福を心からお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様方に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 都としましては、被災地での救助活動や医療活動に当たる専門チームや、現地で情報収集を行う職員を派遣するほか、簡易トイレや毛布等の救援物資を搬送するなど、人的、物的支援に全庁を挙げて取り組んでいるところです。
 なお、昨日の深夜、国から急遽要請がありまして、避難所の運営や救援物資搬送の指揮に当たる職員がいないということで、本日、新たに30人を派遣いたします。それで、先ほど皆様方もヘリの音が聞こえたと思いますけれども、うち、先遣隊4名につきましては、先ほど13時にこの都庁の屋上から、東京消防庁のヘリコプターで早速出発させました。日が暮れるまでには熊本に着くと思います。残りの職員についても、30人の規模ですから、今日中に出発させる段取りを整えております。特に南阿蘇村を支援してくれということなので、今、そういう要請に応えて動きをしております。
 こういうように、今後も引き続き被災地のニーズをきめ細かく把握しながら、国や被災地の要請も踏まえて必要な支援を行ってまいりたいと思っております。
 どういう支援を行っているか、個々にまたお知らせいたしますけれども、詳細につきましては、総務局の方にお尋ねいただければと思います。
(最新の情報は、こちらをご覧ください。)

2 伊勢志摩サミットに向けたテロ対策の強化について

【知事】それから、次はテロ対策であります。ご承知のように、伊勢志摩サミットが近づいております。それに関連するテロ対策の取組についてお知らせをしたいと思います。
 ニューヨークで、「911メモリアル」に参り献花しまして、ニューヨーク市長ともテロ対策の強化を協力してやろうということで、改めまして都民の安全、安心の確保に全力を尽くす決意を新たにしたところであります。
 1か月先には伊勢志摩サミットが行われます。そこで、このテロの未然防止に向けまして、来週の28日の木曜日に「テロ対策東京会議」を開きますが、私と警視総監も出席しまして、十分な警戒を呼びかけてまいりたいと思っております。
 それと、この新宿の本庁舎をはじめ、都が管理する各施設についても、巡回、点検の強化など段階的に警戒態勢を強化してまいりたいと思っております。具体的には、来週の28日の木曜日から、庁舎出入り口のうちの2か所を追加閉鎖いたします。さらに、サミットを6日後に控えた来月の20日、金曜日からは4か所の出入り口を追加閉鎖して、開放されている庁舎出入り口においても手荷物検査を実施させていただくとともに、駐車場では入庫時に車のトランクの内部チェックをさせてもらいたいと思っています。来庁者の皆様方にはご不便をおかけいたしますけれども、テロ対策ということで、ご理解、ご協力を賜りたいと思っております。
 この件につきましても、総務局の方にお尋ねいただきたいと思います。

3 障害者安定雇用の奨励について

【知事】それから、次は障害者雇用の話でありますけれども、このたび、障害や難病を抱える方の安定雇用と処遇改善を図ります「障害者安定雇用奨励事業」を開始しますので、お知らせ申し上げます。
 難病、障害を抱える方につきましては、有期雇用であること、それから賃金レベルが最低水準であるということが多くて、安定した生活を送ることが非常に難しい状況にあります。そこで、現在、都は障害者の雇用の拡大に向けた取組を進めておりますけれど、今後はこれに加えまして、経済的に自立して将来展望を描けるようにするような、雇用の質の改善が必要であります。そこで、障害者の雇用安定と処遇改善に取り組む事業主に対して、奨励金事業を全国に先駆けて創設したいと思っております。
 具体的には、一定の賃金水準を確保して、障害者を正規雇用、どうしてもパートや非正規が多いので。それから無期雇用、例えば3か月先とか有期の雇用が多いので、無期雇用で新たに採用したり。それから社内で正規とか無期雇用に変えた場合、障害者1人につきまして、中小企業については120万円、それから大企業については100万円の支援をしたいと思っております。
 また、併せまして、事業主の皆様には、雇用環境の整備として、休暇とか昇給の制度や育成方針の策定にも取り組んでもらおうと思っております。
 こうした事業を通じまして、障害や難病を抱えている方々一人ひとりが希望とやりがいを持って活躍できる成熟した社会を創っていきたいと思っています。
 この点は、産業労働局の方に詳細をお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、日刊工業新聞の大塚です。知事に1点、質問があります。全国に先駆けて創設した「障害者安定雇用奨励事業」についてです。実際に企業などにこの事業を活用しようと思ってもらえるように、都としてどのように企業の担当者に働きかけていこうと思われているのか、そのあたりを教えてください。

【知事】これはいろいろな機会に、事業者の方々に周知徹底するためにイベントをやってみたり、シンポジウムをやってみたり、周知徹底を図りたいと思います。それから、国の方の東京労働局と連携して、ハローワークの現場でも、雇用指導官がいたり、それから助成金の窓口がありますので、こういう方と連携して、「こういう制度があるよ」と。是非今日の会見を見ていただきたいのですけれども、周知徹底をこういうことも含めてやっていく。そして、これも国に先駆け、ほかの地域に先駆けて先行的にやっていることなので、是非ご活用いただきたいと思っております。また、是非今日お集まりのメディアの皆さん方にも広くご紹介していただければありがたいと思います。

【記者】日本経済新聞の舘野です。会計監査の国際監督機関の事務局が、東京に常設ということが決まりました。そのことの受けとめと、誘致活動で東京都としてはどのように取り組んできたかを教えていただけますでしょうか。

【知事】まだこの機関を御存じない方もおられるし、普通は皆さん御存じないので、監査監督機関国際フォーラム(IFIAR)。英語で言うとInternational Forum of Independent Audit Regulatorsというのがあるのですけれども、要するにこれは公認会計士とか監督の審査をする方々、51か国が加盟しているのですけれども、この国際機関で、金融、それから監査法人、こういうところの間の国際協力をやろうという機関であって、非常に世界的に大きな働きをやっているところです。この本部機能を担う常設の事務局を新設するということがありまして、それで我々は、「これは立候補しよう」ということで立候補した。国際金融フォーラムとか、とにかくシンガポールに今、アジアのヘッドクオーターを持っていかれていて、この20年の不況とデフレの間に国際金融の東京の地位、日本の地位が落ちたので、これを回復しようと努力している、その一環でこの話があったので、「では我々も頑張って手を挙げよう」と。実は、監査監督機関国際フォーラムの総会が4月19日から21日にロンドンで開催されまして、うまくいったというか、我々東京に決めようということを言っていただいたので、こういう形で国際金融センターを招致するということは、世界中の金融活動に関わる方が来られますし、ここに世界の事務局があるというのは、それだけで東京の国際的な金融の地位が上がると思っています。
 それで、アメリカにいるときに向こうで講演しましたように、12月ぐらいに国際的な金融会議を東京で開きたいと思っていますので、そういうこととも兼ねあわせまして、やはり国際組織の本部があるというのは世界中から人がお見えになるので、非常に良い機会だと思っていますので、是非、今回の当選を喜びたいと思いますし、当選というか、事務局を設置して、我々も全力を挙げてこの事務局機能を支援していきたいと思っています。大変喜んでおります。

【記者】読売新聞の越村です。関連なのですけれども、今、知事がおっしゃったように、東京で国際金融力を高めるということで、都市外交等もやっていらっしゃると思うのですけれども、今回のIFIARが来ることが、今後、いわゆる国際金融には外資の誘致は欠かせないと思うのですけれども、そのためのアピールとしては、都として今回の常設することをどういうふうに海外に向けて発信していくのでしょうか。

【知事】要するに、企業が、皆さん方の新聞社もそうですけれど、会計監査がしっかりしていないと経済活動の基本ができないのです。例えば、株を評価するときに、この会社は大丈夫かというときに大前提であるので、そういう意味で、極めて高度なスキルがある人たちがそこにやってくる。それはまさに人、情報、そして、この場合は、国際的な連携、こういうものが東京に集まるということで、非常に大きな意味を持っていて、それで、ここに世界中の方が来られますから、そうすると、我々も一生懸命やりますので、東京で、例えば「29か国語の同時通訳アプリがあるな」「これだけ英語が通じるようになったな」「定款を英語で書いてみてもオーケーになった」とか。それから、虎ノ門にワンストップセンターを作りました。こういうことを実際あっても宝の持ち腐れになるのですけれど、この機関が来ると、それが稼働するようになってくる。だから、ある意味で初めて、その国際機関を通じて、実際に我々がやろうと、この2年間準備をしてきたことが動かせるという、これが一番大きいと思います。
 それで、世界中の方の、例えば会計監査の方々、会計士さんが来られて、「いや、東京良かったよ」「これだけ仕事ができた」と。帰ってきて、自分の国や関係のあるところにその話をしてくれれば、東京のイメージが非常に上がるので、そういう効果を今、期待しているところです。

【記者】文化放送の高橋民夫です。知事、ご苦労さまです。今日午前中に、伊豆諸島6火山防災協議会合同会議の今年度の第1回が開かれたわけですが、この会議が開かれたからといって、すぐに噴火が迫っているとか、そういうわけではないと思います。このいわゆる合同会議でこれから進めたいと思っていらっしゃる意図と、それからやはりハザードマップなど、観光客に向けての対応など、とても大切な問題を含んでいると思いますけれども、意気込みをお聞かせください。

【知事】先ほどの会議で申し上げましたように、本当に東京は火山がある意味で集中していて、しかも活火山。伊豆大島にしても、三宅にしてもそうなのです。私も現場を見てきて、これほどすさまじい爪あとを残すのかと思いました。ですから、やはり、日頃からの訓練が必要だと。それから、島の外に逃げないといけないので、海上自衛隊、海上保安庁、こういう方々との共同訓練が必要です。
 それから、どこの島だったか、江戸時代に50年間逃げていたというような話がありましたので、そのときに東京都全体でどう支えるか、避難訓練をやはり日頃からやっておく必要がある。
 それで、今回の地震もそうですけれど、災害というのは忘れた頃にやってくるという、いつ火山が噴火するか分からないので、そういうことを日頃から訓練し、ああいう合同会議をやっておくというのは非常に意義があると思います。是非今日の会議を皮切りに、訓練、それから、いろいろな情報の交換、特に島外の避難にはものすごく難しい問題があります。噴火しているところに船を着けてどうしてやるのか、と。飛行場も使えないというようなことがあるので、これをしっかりと事務方を含めて、固めていっておくということが、いつ火山の噴火があっても、島民の生命、財産を救うことになると思っています。頑張ってやりたいと思っています。

【記者】まさに30年前の大島のときには1万人の島外避難で、超法規的措置とか、そういうものがとられたりしているわけなのですが、そういったものがないように、ふだんからやはりお互いに顔の見えるような集まりを持っていて。

【知事】そうです。

【記者】いざとなったら助け合おう、そういう気持ちというわけですよね。

【知事】ええ。だから、今日、各町村長さんに来ていただいて、大変良かったと思っています。

【記者】フジテレビの町野です。2点ありまして、1点目は、まず、知事は先日のアメリカ出張の際に、東京にもブロードウェイを作りたいというようなことを表明されておりましたが、何か具体的な場所のお考えはありますでしょうか。以前より築地を夜のにぎわいのある場所にしたいとのお話をされていますが、移転する築地市場の跡地がその候補となっていたりはするのかというところと。もう1点、出張費のお話で、昨日、アメリカ出張の際の知事の宿泊費と航空機代が公表されまして、宿泊費は1泊当たりおよそ15万円というのは、やはり条例が定める3.8倍ほどになっておりますが、知事自身、この額についてどうお考えかをお聞かせください。

【知事】まず後者の問題から先にお話をいたしますと、これはいろいろなご批判がありますので、検討チームも発足させて、今、一生懸命検討しているということでありまして、必要な経費については、これはきちんと使う。無駄なところは省いていく。その方針でやりたいと思っております。
 それから、ブロードウェイの話は、やはりロンドン、パリ、ニューヨーク、こういうところを見て回って、なぜ東京が今言った三つの街に負けているのかというと、やはり文化で相当負けています。ブロードウェイのにぎわい、これはやはり、ソフトも含めて、「ものすごく遅れているな」と深刻に感じました。パリを見ても、ロンドンを見てもそうなので。
 そうすると、やはり、こういうことがきちんとやれる、これはニューヨークでも、専門の方々ともお話ししても、やはりこういうものがないというのは、「東京は負けているね」ということなので、是非これは今後検討して、場所の選定も含めて、またどういう形でやるかも含めて、文化に関する有識者会議とか、いろいろな検討会議がありますから、こういうところで練っていって、固めていきたいと思います。今、築地の話が出ましたけれど、築地ということで決めたとか、そういうことでは全くありません。いろいろな場所がありますから、今後の検討課題だとご理解いただければと思います。

【記者】朝日新聞の伊藤です。海外出張の件で追加なのですけれども、なかなか都民感覚では出張経費にかかった額に対して、やはり自分の生活感覚と比べてしまう部分もあって、理解しにくい部分があると思うのですけれども、今、ホームページで成果というのは一部出されていますけれども、今後、理解を得るための成果の出し方とか、伝え方で、何か具体的なアイデアがあれば教えてください。

【知事】それは、随行なさった方は分かると思いますが、現場でちゃんと記者会見をして、どういう成果があったということを言っていますので、それは皆さん方もちゃんと伝えてくださっていると思いますし、また、ホームページを通じて申し上げたいと。
 ただ、遊びに行っているわけではありません。物見遊山ではありません。仕事で行っているのだということをご理解いただいて、きちんと仕事ができる状況を整えるということも重要だということもご理解いただければと。そのことだけ申し上げて、あとはできるだけ、この成果についても。ただ、成果は、自分の方で、「こんなにやって、ほら、どうだ」というような類のものでもないかなと思っているので、それは、ほかの人が、皆さん方を含めて、それから、今回だとニューヨーク、ワシントンの方々が、「ああ、これは良かったね」「ここは成果があったね」とか言ってくださることが本義なので、自分で「こうやって、これで、すごいだろう」と言う気は全然ないので、そこはご理解いただければと思っています。

【記者】MXテレビの竹田です。関連しまして、少しかぶるところがあるのですが、昨日、出張費を検討するチームが発足されまして、改めて、そのチームで目指すものということを教えていただきたいのと、あと、アメリカ出張前に成果を出すということを発言なさっていましたが、出張費を踏まえた上で、ご自身の中で今回の成果をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

【知事】前者については、これはいろいろな角度から検討をするということで、無駄を排除するにはどうすればいいか、と。しかし、何度も言っているように、必要なところにはきちんと経費は使うべきであって、少し経費を節約したために、まともな仕事もできなかったというのだったら、何のために行ったか分かりません。そこはきちんとやらないといけません。
 それから、東京の先ほどの国際機関の事務局の設置ではないですけれど、東京の国際的な金融地位が極めて落ちています。ニューヨークに行っても、誰も相手にしないという状況だった。したがって、例えば、自分で言わないと言っていて言うのもあれなのだけれども、証券取引所に行きました。朝、ニューヨークのトップの企業の方々を集めて議論をして、東京の魅力についてきちんと説明をする。そうすると、「あ、そこまで東京はやっているのですか」ということで、「実は、東京で仕事をしたいので、パートナーを探していたので、どうすればいいですか」と。「では、どうぞ、東京都庁へ来てください。我々がマッチングをやりますから」と。そういうことについてもお話をしてきたので、そこで東京の企業とニューヨークの企業がきちっと一緒になって仕事をして、お互いに利益をもたらすということになれば、非常に大きなプラスになります。こういうことをきちんとやってきた。それで、ニューヨーク証券取引所で開会のベルを鳴らしました。あれはただ遊びでベルを鳴らしているわけではありません。そこに東京が招かれて、私が東京の代表としてその場でベルを押していいということは、ニューヨーク証券取引所というのは世界一ですから、これが東京の地位をきちんと認めてくれたということです。それで、アメリカ全部のニュースに流れるわけです。アメリカ人に会うと、「さっき、あなた、ベル鳴らしたそうだね」と、こう言ってくれるわけです。後ろに日の丸の国旗が掲げられます。全米に東京のプレゼンスをそこでぴっしりやるということは、先程来言っているように、シンガポールに負けているわけです。ニューヨークがそれを挽回していくきっかけになったので、長期的に見れば。例えばニューヨークについて言えば、そういうことがあると。ひとことでは言いきれませんけれども、私は十分な成果を上げたと思っています。例えば、分かりやすく言えば。

【記者】あと、もう1点よろしいですか。出張費の件で、基準を上回ったものに関しては申請を出すということなのですけれども、この基準について見直すことを検討するご予定はあるでしょうか。

【知事】これも検討会議でどうするかというのは、今、全て検討させたいと思っております。

【記者】時事通信の吉本です。今度の参院選で導入される合区に関連してお伺いしたいのですけれども、知事会側は、合区に反対する立場で、憲法を改正して、地域代表制を参院においては明記して、そういうのをいろいろ考えているらしいのですけれども、知事の方にもいろいろ照会があったかと思うのですが、この知事会の考えについて、知事の受けとめというか、賛成か反対かも含めて教えていただきたいです。

【知事】ワーキングチームで、確か中間報告を取りまとめるという話を聞いております。ただ、これはやはり、知事会には基本的に全部の知事さんに集まって、そこでじっくり、全部の知事で議論をすべきだと思います。あくまで、こういうたたき台だというのをワーキングチームで作っても、次の知事会でやはりきちんと議論をして、その場で案を見て、「私はこう思う」と、私も含めて各知事さんがおっしゃって、その上での話だと思いますので、今の段階で、まだ議論も全然していないので、今、判断を下すのは、少し時期尚早かなと思っています。

【記者】IWJの城石です。2点お伺いします。ホテルの宿泊費の件なのですけれども、必要な経費として舛添知事は訴えていますけれども、日本共産党都議団の出した資料によれば、スイートルームでの会見の記録というものは、石原都知事の時代からなかったということで、やはりこのスイートルームの宿泊費というのは、見直す必要があるのではないかなという点が1点と、もう一つが、審査チームの件なのですけれども、こちらで調査した結果などは、どういう形で都民に開示されるのかということをお教えください。

【知事】後者は、例えば、入札などをしてやらないといけない部分は出してはいけない部分がルールでありますから、それ以外は出したいと思っています。
 それから、部屋について言うと、先ほども申し上げましたように、会議のための部屋を一緒につけているのを、どう呼ぶかは、スイートルームと呼んでいるホテルもあるし、そうではない名前で呼んでいるホテルもあって、つまり、会議をやるわけです、そこで、毎日。例えば今回などもものすごい頻度で会議をやったのは、熊本地震がありました。刻々、全部情報が入って、「どういう形で警察を派遣しろ」「お医者を派遣しろ」と、こういうことを刻々やるわけです。そのために会議をやらないといけない。ホテルで会議のための部屋を特別にとったら、どれぐらいお金を取られると思いますか。そういうことのために使っているので、スイートルームという言葉だけで遊び回っている部屋のような、そういう誤解があってはいけないということです。
 それから、いろいろな方がお見えになりますけれども、極めて大事な政治的な話をするときに、公開すべきものではありません。ですから、来なかった、来たとかということで判断できる話ではないのです、はっきり言うと。結果として、仕事がちゃんとできないとだめだと。だから、仕事の内容を精査しておっしゃっていただきたいと思います。「どういう会談を市長さんとやったのですか」、先ほどの質問のように、「どういう成果があったのですか」と、そういう内容についての質問をもっと大きくしていただければありがたいなと。もう、全部この点に集中していますけれども、今言ったことを繰り返して申し上げるしかありません。

【記者】毎日新聞の篠原です。昨日ですけれども、日本スポーツ振興センター法の改正法が衆議院で可決されたと思うのですが、これも予定調和の話だったと思うのですけれども、これで東京都が国立競技場に建設費の一部を負担するという法的な根拠ができる道筋ができたと思うのです。一部で約400億円と言われていますが、都民の中には、やはりその400億円という額について、違和感を持たれる方もおいでになると思いますので、衆議院でこの法案が可決したということと、その400億円という額について、知事がどのようなご見解を持っているのかお聞かせください。

【知事】まず、最初の方は法治国家ですから、法的な枠組みがないといけません。だから、地方財政法で、地方からの寄付が禁じられているので、そういう法体系のもとで、きちんと法的に整えるということなので、これは法治国家として当然のことだと思っています。そういう中で、これは国との間で、過去の繰り返しになりますけれども、よく中身を精査して、検討チームがしっかり検討をして、395億円の、これでいろいろな観点から、都民、国民の理解が得られるだろうと。我々の東京のオリンピック・パラリンピック大会、このメイン会場に使いますし、それから、東京都のレガシーとして残ると、そういうことを総合的に加味しての数字であったわけですから、これを今後とも私は都民の皆様にご理解いただけるように、いろいろな意見がある方もおられるし、そもそもオリンピック・パラリンピックを開くこと自体が反対だという意見の方もおられますので、いろいろな意見がある中で、都民の過半数のご理解が得られるように、今後とも説明の努力をしてまいりたいと思っております。

【記者】NHKの中島です。昨日の検証チームの件なのですけれども、都庁内部のメンバーで構成されていると思うのですが、今回、外部からの批判を受けての検討会だと思うのですけれども、外部の人材を入れるというお考えはないのでしょうか。

【知事】今のところは、都庁の中でしっかりまずやっていきたいと思います。必要ならば入れたいと、そういう方針であります。

【記者】そうするとなかなか、都庁の中での議論にとどまっているという批判もあると思いますけれども。

【知事】いやいや、だから、まず、都庁のレベルでもやっていないのだから、それをまずしっかりやる。その上で、です。最初から外を入れる必要はありません。まず、自分たちの中でしっかり検討しないといけません。その上で必要に応じて、外部の者が入らないといけないときは入れると、それは私の判断でやります。とにかく、まず第一歩を踏ませてください。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)