報道の自由度 日本をはじめ世界で「大きく後退」

国際的なジャーナリストの団体「国境なき記者団」は、各国でどの程度、自由な報道がなされているかを分析した「報道の自由度」についての報告をまとめ、日本をはじめ世界全体で「状況は大きく後退した」と指摘しました。
パリに本部を置く「国境なき記者団」は、世界各国の「報道の自由度」について、毎年、報道機関の独立性や法規制、透明性などを基に分析した報告をまとめランキングにして発表しています。
20日発表されたランキングで日本は、対象となった180の国と地域のうち72位と、前の年の61位から順位を下げました。これについて「国境なき記者団」は、おととし特定秘密保護法が施行されたことなどを念頭に、「漠然とした範囲の『国家の秘密』が非常に厳しい法律によって守られ、記者の取材を妨げている」と指摘しました。
ランキングでは、北欧のフィンランドが6年連続で1位となった一方、中国は176位、北朝鮮は下から2番目の179位で、最下位は東アフリカのエリトリアでした。
また、中米でジャーナリストへの暴力が相次いでいることや、ポーランドなどヨーロッパの一部で国営メディアへの規制が強化されたことなどを挙げ、世界全体の傾向として「状況は大きく後退した」と指摘しています。
そのうえで「メディアによる自主規制も増えている。独立した報道を守っていけるかどうか、先行きは、ますます怪しくなっている」と警告しています。

ランキングは

ことしの「報道の自由度」ランキングで、上位10位となったのは次の国々です。
1位フィンランド、2位オランダ、3位ノルウェー、4位デンマーク、5位ニュージーランド、6位コスタリカ、7位スイス、8位スウェーデン、9位アイルランド、10位ジャマイカ。
一方、下位10位の国は以下のとおりです。
171位キューバ、172位ジブチ、173位ラオス、174位スーダン、175位ベトナム、176位中国、177位シリア、178位トルクメニスタン、179位北朝鮮、180位エリトリア、最下位のエリトリアについて「国境なき記者団」は、「20年以上、独裁政権によって自由な報道を行う機会が存在していない。イサイアス大統領は締めつけを緩めるつもりはなく、報道の自由の略奪者だ」と厳しく批判しています。
このほか、主な国と地域の順位です。41位アメリカ、45位フランス、51位台湾、70位韓国、148位ロシアとなっています。