動物園や水族館がどのような思いを抱えて運営しているか想像したことはありますか?
また、想像できますか?
この小説は正直に言って、
ありふれたストーリー・展開・恋愛模様で構成されています。
それでも非常に魅力に溢れた本です。
それは魅力の理由は、水族館に携わる個人個人の葛藤や、
飼育動物への接し方が丁寧に描かれてることです。
例えば、この小説はアクアパークという水族館がメインの舞台です。
アクアパークのイルカ飼育においては、
イルカの名前はC1、X0などの名称をつけています。
また、ペンギンの飼育現場においても、
腕の認識タグの色付きから、赤銀、白茶などの名称をつけています。
その理由は愛着をつけて飼育動物をペットとしないため。
その名称のことに関しても本書の中で議論があります。
ある登場人物の想いとしては、
「水族館では野生に近い姿を見せたい。ペットを見せたいわけではない。」
一方、それに対立する考えの人は、
「アクアパークを身近な施設としたい。
お客様に楽しんでいただくために親しみやすい愛称をつけたい。」
こういう事例を筆頭にイルカショーの考え方や、
魚類の展示がどのような目線でお客様に見られているのか。
そういったことが登場人物の熱い思いを通じて描かれていきます。
また、もちろん水族(=水性生物)の生態についても面白おかしく描かれています。
この本を読んで水族館への理解が深まり、
今までと違う水族館の楽しみ方を見出してくれればと思います。
こうやって書くと、堅い小説に思えるかも知れませんが、
男性の作者が書いたとは思えないくらい恋愛要素も強いです。
イメージとしては有川浩さんの恋愛描写みたいだなーと思って読んでいました。
甘酸っぱい恋愛小説が好きな人も読んでみても間違いないと思います。
また、全然知らなかったのですが、
祝・ドラマ化
だそうです。
主人公の水族館ガールは、
松岡茉優さん
水族館ガールの先輩は、
桐谷健太さん
です!
(松岡茉優さんの著作権に引っ掛からない写真は見つけられませんでした。)
お二人とも私でも知っているような有名な役者さんです。
生き物とのドラマ撮影は難しいとは思いますが、非常に楽しみにしています。
2016年6月17日スタートです。
本を読むのが億劫な方も、ドラマを一度見てみてほしいと思います。
色々書きましたが、オススメな本であることは間違いないので、
是非この作品に触れてみてほしいと思います。
そして、本を読んでくださる方も、ドラマを観てくださる方も、
ほんの少しでいいのでヒトと動物や他の生命との共生のあり方について、思いを馳せてみてくださればと思います。
ドラマの公式HPはこちら。