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西端ジャッキと土台崩壊 バランス崩す?

西側の崩れたジャッキと土台

 神戸市北区の新名神高速道路の工事現場で橋桁が落下し、作業員2人が死亡、8人が重軽傷を負った事故で、橋桁の西端を支えていたジャッキとその土台が完全に崩れ落ちていたことが23日、西日本高速道路への取材で分かった。事故当時、橋桁の西端に新たな構造物を取り付けており、西端に重みが片寄ってバランスを崩した可能性がある。兵庫県警は23日午前から業務上過失致死傷の疑いで現場検証に入り、安全管理に問題がなかったか本格的な捜査を始めた。

 亡くなったのは、下請け工事会社「汐義建設工事」(兵庫県尼崎市)社員の福田佳祐さん(32)=兵庫県伊丹市池尻6=に加え、身元が分からなかったもう1人は会社員の田中幸栄さん(37)=大阪市此花区春日出南2=と判明した。

 西日本高速道路関西支社によると、橋桁は今月1日までに東端が仮設台、西端がジャッキの上に置かれた。30日までに橋桁の両端をつり上げ設備(クレーン)でつり、仮設台やジャッキを撤去して約7メートル下の橋脚(東端)と橋台(西端)に設置する予定だった。

 東端は同21日以前からつり上げられたままで、22日はその状態で仮設台の解体作業をしていた。一方、西端ではつり上げ設備を建設中で、クレーンを引っかけるための鉄製の構造物「セッティングビーム」3基をこの日新たに橋桁の上に設置。ジャッキ4台とその土台で橋桁を支えていたという。西端のジャッキやその土台が約1350トンある橋桁の重みに耐えられず、落下につながった可能性がある。

 事故は22日夕、神戸市北区の新名神高速道路の工事現場で発生。鋼鉄製の橋桁(長さ約124メートル)が約20メートル下の国道176号に落下した。巻き込まれた車両はなかった。【矢澤秀範、山下貴史】

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