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復興に弾み 九州新幹線、博多−熊本間が再開

博多−熊本間の運行を再開した新幹線に乗り込む乗客たち=熊本市のJR熊本駅で2016年4月23日午前11時32分、須賀川理撮影
主な交通被害の状況

週末を迎えボランティアも続々と被災地入り

 熊本地震発生の14日から不通となっていた九州新幹線の博多−熊本間が23日午前11時51分、再開した。20日の新水俣−鹿児島中央間に続く復旧で、JR九州は早ければ月内にも残る熊本−新水俣間を含め全線を再開させる方針。熊本県と本州や福岡県が新幹線でつながることとなり、復興に弾みがつきそうだ。週末を迎えボランティアも続々と被災地入りしている。一方、2人が安否不明の熊本県南阿蘇村では23日も捜索が続けられた。【神崎修一、津島史人】

     JR九州は23日早朝から、博多−熊本間で試験列車を走らせて安全を確認した。九州新幹線の熊本−新水俣間は地震発生後、熊本駅南側で脱線した回送列車(6両編成)がとどまったままだったが、23日までに車両の一部を熊本総合車両所(熊本市)に移送。撤去作業を終える見通しがついたことなどから、早期に全線再開できると判断した。

     再開後の博多−熊本間は全便が各駅停車の「つばめ」で運行される。防音壁の落下など25カ所の損傷が見つかった新玉名−熊本間は徐行運転するため、所要時間は約1時間5分かかる。グリーン席を除き全車自由席。

     23日は上下21本を運行。24日以降は1日15往復する(下り1本は筑後船小屋止まり)。活用できる車両が限られるため、通常より本数を減らし1時間に1本程度の運行になる。山陽新幹線との直通運行はしない。

     JR熊本駅(熊本市)には早速、博多などに向かおうと数時間前から待つ人も。再開時間が近づくと、駅にサラリーマンらが集まり始めた。改札口近くには切符購入の臨時窓口も設置され、次第に活気がみなぎった。

     再開後の新幹線に乗車予定の広島市安芸区の設備機械メーカーの会社員男性(49)は、熊本市内にある取引先の地震による損傷を確認するために21日に来ていた。熊本に行く際は福岡市からタクシーを使っていたといい「本当に再開できるか不安で、2時間前に来てしまった。ようやく復興がこれから始まりますね」と話した。

     駅のコンビニエンスストアで働く貝田宏美さん(39)=熊本市西区=は「新幹線が再開すれば県外にスムーズに出られるようになると思うので、いざという時の安心感が違う。日常が戻りつつあると感じている」とほっとした様子だった。

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