校長室だより
平成28年4月14日更新
新年度がスタートして
今日は4月14日です。28年度がスタートして2週間が過ぎました。3月の年度末は、卒業式で多くの卒業生を送り出し、その保護者の方々も、卒業生の親として子供と共に卒業していかれました。本校は私立学校なので、教職員の転勤など異動は少ないのですが、それでも長年お勤めいただいた先生や、産休育休代理で1年間という短い期間に来ていただいた先生ともお別れしました。いずれも永遠(とわ)の別れを意味するものではないのですが、つい感傷的になってしまい、卒業式でも、度々涙を流してしまいましたし、3学期の終業式に先だって行った先生方の退任式では、不覚にも生徒の前で声を詰まらせてしまいました。駄目ですねえ。年を重ねて涙もろくなってしまいました。
一方、新年度初めには新しい出会いが沢山あることは大変嬉しいことであります。本校は4月8日の午前中に中学校の入学式で179名の新入生を迎え、午後からの高校の入学式では210名の新入生を迎えました。金光教教主の「ちちははも こどもとともに うまれたり そだたねばならぬ 子もちちははも」のお歌のように、保護者の方も、新入生の保護者として、ともに本校に同時に入学して下さったような気持ちでお迎えすることができました。
入学式の日はとてもさわやかなお日和で、町内や校庭の桜も、入学式を祝うかのように満開に咲き誇っておりました。そして新しいフレッシュな7名の先生もお迎えし、金光教教主の「春風に 似たる心を もちたしと 吹く春風に 吹かれつつおもふ」のお歌のように、新鮮な気持ちでスタートしたところであります。
本校では毎年の高校入学生の中には、AFSの1年間留学生を迎えていますが、これまで英語圏の留学生をはじめ、ヨーロッパ、オセアニア、アジア、南米など様々な国からの留学生を受け入れまいりました。昨年度はブラジルから女子生徒が来てくれました。今年はインドネシアからナディアさんという女子生徒が来校しています。1年間の長期留学生として、本校としてイスラム教の留学生を受け入れるのは初めてのことですが、私はとても良かったと思っています。それは異文化や異なった宗教を理解するのにまたとないチャンスだと思うからであります。彼女は学園の制服で頭にスカーフをかけ、夏になっても足や腕など肌を見せないよう長袖や、スカートの下にスパッツをはいて登校することになると思います。また学校生活の中でも、神への祈りの時間や場所が必要です。豚肉は食べないなど、食生活も制約があります。そんな宗教や文化の違いをお互い理解して学び交流ができる、よきチャンスを与えていただいたように思っています。
近年イスラム教の過激派とかイスラム国と呼ばれている集団などによるテロ事件が跡を絶たず、イスラムについての誤解や、偏見を持っている人も少なくないと言われています。先日の始業式では生徒たちにそのことも話し、ナディアさんを温かく受け入れ、良き交流を持ち国際理解を深めようと話をしたようなことであります。来月の下旬には隔年ごとに相互訪問をしている韓国の姉妹校チュンチョン女子高校の生徒と校長先生をはじめ3人の先生が、学園にやってきます。あちらの学校では、なんと募集した15人の枠に92人もの希望者があり、厳しい選考を行い、15人に絞ったというのです。
昨年、日韓関係は戦後70年、日韓国交正常化50年という大きな節目の年を迎えて、新たな友好関係が期待され、求められていますが、なお解決できない問題は山積しています。そんな中で、韓国の姉妹校の生徒さんの日本を、そして何より金光学園に行きたいという希望が殺到しているということは大変嬉しいことであります。来月の来校を楽しみにしているところであります。
さて、入学して間もない中学1年生のために、明日の土曜日に生徒会主催の新入生歓迎会が行われます。先輩になった中2や中3の生徒達による学校紹介や部活動の紹介などが工夫を凝らして行われ、新入生を心から温かく迎える歓迎会となっています。また来週の22(金)、23(土)には中学1年生は町内の金光教施設に宿泊し、高校1年生は福山市の「ツネイシしまなみビレッジ」に宿泊し、それぞれ、入校時合宿を行います。どちらも、早く学校にも友達や先生にも慣れて、より良き学園生活のスタートにつながればと思っています。
中学3年生は22~25日まで、3泊4日の沖縄修学旅行があります。もう半年以上前から、沖縄戦や米軍基地の問題、沖縄の自然、歴史や文化などについて事前学習をして取り組んで来ました。今年も素晴らしい沖縄修学旅行になればと願っています。授業や部活動も新しい学年でスタートしています。今年度も金光学園にとって良い年であり、生徒達一人ひとりが輝いて学園生活が送れるように、私達としても頑張ってまいりたいと決意を新たにしているところであります。