ロンドン=寺西和男、ニューヨーク=畑中徹
2016年4月23日03時54分
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は22日、2015年12月期決算で売上高が前期比5・4%増の2132億9200万ユーロ(約26兆4千億円)、純損益は15億8200万ユーロ(約1960億円)の赤字になったと発表した。不正に排ガス規制を逃れた問題への対策費用として、162億ユーロ(約2兆円)を引き当てたことが大きく響いた。
前期は108億4700万ユーロの黒字。独メディアによると、赤字の規模は過去最大で、年間で赤字に転落するのは1993年以来という。28日の記者会見で決算の詳細を説明するとみられる。
VWは不正対策の費用として15年7~9月期の決算では67億ユーロをあてていた。その後、リコールや不正をめぐる訴訟関連の費用などの見積もりが膨らんだもようだ。21日には、不正をした車両をVWが買い取ることや、所有者への金銭補償で米環境当局などと合意しており、こうした追加費用も含まれるとみられる。
この結果、不正対策などの一時費用を含めた営業損益は40億6900万ユーロの赤字(前年は126億9700万ユーロの黒字)に転落したが、VWは、一時費用を除けば前年の黒字を少し上回った、としている。業績悪化を受け、VWは取締役らの報酬カットも発表した。
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