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【ゴルフ】

女子選手不安の一夜 バンテリンL大会中止

2016年4月16日 紙面から

地震発生時の様子を振り返る有村智恵=熊本空港CCで(神代雅夫撮影)

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 熊本県菊陽町の熊本空港CCで15日から開催予定だった女子ゴルフのKKT杯バンテリンレディス(賞金総額1億円、優勝1800万円)は、熊本地震の影響で中止となった。日本女子プロゴルフ協会は15日未明に大会初日の中止を発表し、午前10時にトーナメント全日程の中止を決めた。国内女子ツアーの大会中止は、東日本大震災直後に3試合の開催を自粛した2011年4月のスタジオアリス女子オープン以来5年ぶり4度目。次週の静岡県伊東市開催のフジサンケイレディスは予定通り開催される見込みだ。

 5年前の東日本大震災を機に作られたという、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)の一斉連絡メールシステムが稼働した。早朝6時半と9時、2度にわたる協議の末、出場選手たちに送られたのは「安全確保のため大会中止」の一報だった。

 10時半を過ぎると、ポツリポツリと選手たちがコースにやってきた。前日(14日)までの精算や、ロッカーに置いていた荷物やクラブを引き揚げるためだ。今季のミーティング委員長を務める一ノ瀬優希(27)は、震源の益城町に隣接する御船町に自宅がある。「もう、部屋中に落ちた物が散乱していて靴を履かないと入れない状態です。3階建てアパートの3階。最初は大家さんの家に避難して、午前1時すぎから車で仮眠をとったけど、ほとんど眠れてません」と話した。

 同様に益城町隣接の嘉島町に一軒家を構える有村智恵(28)は「マッサージを受けている最中だったんですが、もうベッドの上にしがみついて動けなかった。壁にヒビが入ったりとかはないけど、仏壇や大きな棚も倒れてガラスが飛び散っている状態。いったん城南町の知人宅に避難、明け方に家に戻りました」。

 JR熊本駅に近いタワーマンションに住む青山香織(30)は、高層階で被災し「揺れは尋常じゃなかった。震度10とかあったんじゃないかと思うほどでした。本当に怖かった。少し落ち着いてから階段で30階分以上歩いて下りたんですけど、ずっと足の震えが止まりませんでした」と語った。

 他の地域から遠征中の選手達も含め口をそろえて「大会中止は残念だけれど仕方ない。これから話し合い、義援活動も考えていくと思う」とし、それぞれの帰路についた。 (月橋文美)

 

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