クレヨンしんちゃんの映画は、テレビやDVDで何本か見たことがあったんだけど、劇場に見に行ったのは今作が初めて。
下品なギャグが保護者から敬遠されて、子供に見せたくない番組の上位常連のアニメ『クレヨンしんちゃん』。
実際に私のまわりにも、親が意識して見せていないおうちが何件かあります。
うち?
うちも本音は見せたくない派なんだけど、初見から子供がどはまりしてしまい、毎週あまりにも楽しみにするもんだから、仕方なく許してる・・・って感じ。
そんな、常に物議を醸してるアニメ『クレヨンしんちゃん』の今年の映画。
『爆睡!ユメミーワールド大突撃』
めっちゃよかった!!
めっちゃ泣いた!!
今まで見たしんちゃんの映画の中で
1番よかった!!
脚本は劇団ひとりさん。
天才か!!
今まで見たしんちゃんの映画もよかったんだけど、正直不満な点が2つあって。
ひとつは、しんちゃんとしんちゃんの家族が活躍することが多くて、『かすかべぼうえいたい』、つまり子供たちが活躍する作品があんましなかったこと。
もう1つは、しんちゃん自身はおバカなことを言ってるんだけど、まわりまわった結果、それがなんだかいいセリフに聞こえちゃってるだけってことが多くて、しんちゃん自身が本当にかっこいいわけではないこと。
その2つの不満点が、今作ではすべてクリアされてて
かすかべぼうえいたいは大活躍!!
そしてしんちゃんは、惚れそうなくらいかっこいい!!
こんな脚本を書く劇団ひとりさん。
まじ天才。まじリスペクト。
以下、ネタバレ感想文です。
とある事故で、自分をかばって死んでしまったママが自分を恨んでると思い込み、悪夢を見てしまう少女サキちゃん。
サキちゃんに悪夢を見せないために、みんなに理想の夢を見せ、その夢パワーを吸い取るユメミーワールドをつくったサキちゃんのパパ。
サキちゃんのパパがつくったユメミーワールドで、かすかべぼうえいたいのみんなも思い思いの夢を見ます。
政治家を目指しているカザマくんが見る夢は、実際に政治を動かしてる議員の姿じゃなくて、タスキをかけて車で回ったり演説したりと選挙活動に励む姿。劇団ひとりさんらしい風刺。カザマくんにとって『政治家』のイメージは、マイクを持って街を練り歩き選挙活動をしてる姿なんですね~。
マサオくんは人気漫画家になる夢を見るんだけど、締め切りに追われて、現実世界に戻ってきてからも『今描いてるところです』『すみませんすみません』とかぶつぶつぶつぶつうつろな表情でつぶやいて、エヴァンゲリオンちっくに病んじゃうの。なんだか妙にリアル。
そしてしんちゃんの夢を見て『本当に5歳児かよ』『中年おやじみたいな夢見やがって』と思わずつぶやくカザマくん。
どんな夢か?
昔テレビで『アイドルだらけの~』とか『美女だらけの~』とかのタイトルで、夏によくやってたやつ。
こういうことするから『子供に見せたくない』って言われちゃうんだよねー・・・。
サキちゃんとパパは、みんなの夢を吸い取りながら町を転々としているため、どうせ友達をつくれないからと、サキちゃんはわざとみんなに嫌われるような態度をとります。
そんなサキちゃんと一番最初に友達になったのは、ネネちゃん。
気の強い女同士の友情が泣かせるんだこれがまた!!
だけどサキちゃんとパパがみんなの夢を吸い取ってることがバレて、ネネちゃんを始め、かすかべぼうえいたいのみんなは一旦サキちゃんから離れてしまいます。
そんな中、1人、サキちゃんから離れなかったのがしんちゃん。
悪夢を食べるバクを探しにいこうと、サキちゃんに提案します。
そしておうちに連れて帰って、お好み焼きを食べさせてあげるの。
結局サキちゃんは、迎えにきたパパに連れ戻されちゃうんだけど、夢の中で会おうと約束する2人。
玄関先で、サキちゃんと目を合わせてうなずきあうしんちゃん。
かっこいいんだな~これがまた!!
思わずしんちゃんにきゅーんとしちゃったよ。
今まで見た映画ではなかった!!
でね
夢の中で、やっと悪夢を食べるバクを見つけるんだけど、まさかのバク違い!!
このバク違いをあっさりとしたギャグで終わらせずに、本人役で出演してる大俳優さんを焚き付け(ネネちゃんが強引に)、悪夢にかぶりつくとこまでやらせるのは、劇団ひとりさんのセンスだなぁと思いました。
結局バクは見つけられずに、サキちゃんは悪夢に乗っ取られ、パパはあきらめそうになるんだけど、それでもあきらめないのが、かすかべぼうえいたい!!
みんなで『おやすみなさ~い!!』と、再びサキちゃんの夢の中へ。
バクは見つけられなかったけど
悪夢を倒すために
しんちゃんがバクに変身します。
かっこいい!!
かっこよすぎる!!
こんなに正攻法にかっこいいしんちゃんを見たのは初めて!!
劇団ひとりさん最高!!
こんなしんちゃんが見たかった!!
だけどね。
こどもたちだけじゃどうしても悪夢に勝てなくて。
サキちゃんの
『ママは私をうらんでる』
っていう疑念が晴れなくて。
そこで登場するのが
みさえ!!
『サキちゃんにどうしても伝えないといけないことがある』
『私にしか伝えられない』
と言って夢の中へ。
ここでみさえは
『母親は子供のことをなによりも大切に思ってるの!!』
『やさしいパパばっかりに甘えるな!!』
『私だって、好きでうるさい悪役やってるんじゃない!!』
と、全国の母親の心情を代弁してくれます。
(セリフはうるおぼえなので正確じゃないです)
みさえ~(号泣)!!
そして母親のみさえだからできること。
サキちゃんに
ママはあなたのことをなによりも誰よりも愛していたんだから恨んでるわけなんてない
って伝えます。
みさえ~(号泣)!!←2度目
この映画はテーマが本当にもりだくさん。
子供たちの友情や
親が子供を信じることの大切さ。
親を気遣う子供のけなげさや
夢を見ることの純粋さ。
父親の愛情。
母親の愛情。
こんなに詰め込んでるのに、そのひとつひとつが中途半端にならないで、ちゃんと伝わってくるクオリティがすごい。
見てる間、何度も何度も泣きました。
それでいて、子供を飽きさせないギャグも止まらない。
ドラえもん、妖怪ウォッチ、プリキュア、ミニオンズ・・・
今まで見たどの映画よりも1番
劇場内の子供たちの笑い声が大きく、絶えませんでした。
うちの子供たちも、お腹抱えてゲタゲタ爆笑しながら見てました。
まぁお下品なネタも絶え間なかったけど。
とにかく。
今年のクレヨンしんちゃん映画はドラえもんに負けないくらい、いいっ!!
こんな素敵な映画が、ちょっと下品なギャグのせいで、敬遠されちゃうのは本当にもったいないなぁ。
下品って言っても、昔のドリフが許せる人は、許容範囲だと思うんだけど。
(子供時代、ドリフを見せてくれてた親の寛容さに気づいた)
正直今まで、クレヨンしんちゃんにいいイメージなかったんだけど、この映画は、子供と一緒に見れてよかったなぁと本当に思ったよ。
なんなら、もう1回見に行きたいくらい。
しんちゃんを信じて一緒にサキちゃんを助けるために、徹底的におバカになるみさえとひろしの親心も見もの!!
ちょっとお下品なギャグに目をつむることができれば
笑いあり感動ありの、ものすごい完成度の高い映画だと思う。
ぶっちゃけ
先日テレビで見た昨年のしんちゃんの映画 『オラの引っ越し物語 サボテン大襲撃』
の、一万倍ぐらいよかった!!
しんちゃんだしどうしようかなぁ・・・と迷ってる人は
思い切ってぜひ見に行ってほしい!!
大人も子供も楽しめる、とってもいいアニメ映画でした!!
長男は前から
「しんちゃんの映画は面白いときと面白くないときがあるからなぁ」
と言って、ずっと劇場には見に行きたがらなかったんだけど、今年は予告を見て心惹かれるものがあったらしく、初めて見に行きたいと言い出したんです。
やっぱ子供の勘は当たるんだなぁ。
ということで
今年の映画クレヨンしんちゃんは
超絶おすすめっ!!
劇団ひとりさん、まじパないっす!!
おみやげ
パンフレット。
声優さんたちの座談会やコメント、脚本を書いた劇団ひとりさんや監督さんの裏話、映画の元になったラフ画など、なかなか読み応えあったよ。
裏表紙。
パンフレットの付録だった、ペーパークラフト。
夢の中でサキちゃんを助けるために、バクに変身したしんちゃん!!
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