2人死亡の橋桁落下事故 ジャッキから滑り落ちたか

2人死亡の橋桁落下事故 ジャッキから滑り落ちたか
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22日に神戸市の新名神高速道路の建設現場で橋桁が落下し、作業員2人が死亡、8人がけがをした事故で、道路を管理するNEXCO西日本は、橋桁の西側の部分が、支えていたジャッキから滑り落ちたとみられることを明らかにしました。警察は、現場の責任者や作業員から話を聞いて、工事の手順や安全管理に問題がなかったか調べることにしています。
22日夕方、神戸市北区道場町の新名神高速道路の建設現場で、長さおよそ120メートル、重さおよそ1350トンの橋桁の西側部分が、橋脚からおよそ15メートル下の国道に落下しました。
警察によりますと、この事故で、建設作業員で兵庫県伊丹市の福田佳祐さん(32)と大阪・此花区の田中幸栄さん(37)が、落下した橋桁に挟まれるなどして死亡しました。また、作業員とみられる8人がけがをして病院で治療を受けていますが、このうち4人は、けがの程度が重いということです。
現場は交通量の多い国道ですが、下敷きになった車はありませんでした。
道路を管理するNEXCO西日本によりますと、橋桁は、西側の部分が少なくとも2つのジャッキで支えられ、東側の部分がクレーンでつり下げられていましたが、西側の部分が何らかの原因で滑り落ちたとみられるということです。橋桁は今月30日に橋脚の上の橋台に固定されることになっていました。
警察は、現場の責任者や作業員から話を聞いて、工事の手順や安全管理に問題がなかったか調べることにしています。

落下した橋桁の状況は

NEXCO西日本の説明によりますと、落下した橋桁は鋼鉄製で、長さ124メートル、重さはおよそ1350トンあります。
川や道路をはさんで両側にある橋脚の上の橋台と呼ばれる部分には、まだ固定されておらず、今月30日にジャッキやクレーンを使って橋桁を少しずつ下げ、橋脚の上の橋台に固定することになっていました。
事故の前、橋桁は、西側の末端付近が少なくとも2つの鉄製のジャッキで支えられ、東側がクレーンでつり下げられていたということですが、橋桁はジャッキで支えられていたはずの西側の末端付近から落ちたということです。
NEXCO西日本関西支社の里深一浩建設事業部長は記者会見で「現場の写真を見るかぎり、ジャッキの上から橋桁が滑り落ちたような形になっている」と述べ、橋桁が西側から落ちたという見方を示しました。
ただ、これまでのNEXCO西日本の調査では、22日に、ジャッキなど橋桁を直接支えて負荷がかかっている部分で作業をしたということは確認されていないということです。また、ジャッキなどに不具合が起きた際に、橋桁の落下を防ぐ二重の安全対策がとられていたかどうかも現時点では分からないとしています。