高速道路で工事中の橋桁落下 2人死亡8人けが

高速道路で工事中の橋桁落下 2人死亡8人けが
22日夕方、神戸市北区で建設中の新名神高速道路で、およそ120メートルの橋桁の片側が下を走る国道に落下しました。警察や消防によりますと、落ちた橋桁に挟まれるなどして30代の作業員の男性2人が死亡し、ほかに8人がけがをしているということです。
22日午後4時半ごろ神戸市北区道場町の新名神高速道路で、工事中の長さおよそ120メートルの橋桁の片側がおよそ20メートル下の国道176号線に落下しました。警察や消防によりますと落ちた橋桁に挟まれるなどして30代の作業員の男性2人が死亡しました。また、8人がけがをしていて、このうち4人が大けがをしているということです。消防によりますと、この8人も作業員の男性とみられるということです。

この橋桁は有馬川と国道176号線を東西にまたいで建設されていて、橋桁の西側が国道の上に落ちています。警察によりますと、橋桁の東側をクレーンでつり上げる作業をしていたところ、固定されていた西側が国道の上に落下したとみられるということです。高速道路の下を走る国道176号線は、警察が周辺を通行止めにして調べていますが、これまでのところ巻き込まれた車はないということです。

道路を管理するネクスコ西日本によりますと、落下した橋は現在工事中の新名神高速道路の全長およそ500メートルの有馬川橋で、橋脚と橋脚の間に橋桁を取りつける工事をしていたということです。
また、当時現場には作業員などおよそ50人がいたということです。
警察は橋桁が落下した詳しい状況や原因を調べています。

ネクスコ西日本「事故起こし申し訳ない」

西日本高速道路建設統括課の浦啓之課長は報道陣の取材に対し、「事故を起こして申し訳ない。原因の確認を進めたい」と陳謝しました。

西日本高速道路によりますと、新名神高速道路は名神高速道路と東名高速道路の混雑の解消などを目的に計画された名古屋市と神戸市を結ぶおよそ174キロの高速道路です。現在は滋賀県の大津ジャンクションと神戸ジャンクションの間のおよそ80キロの建設を進めています。このうち、事故現場を含む高槻ジャンクションと神戸ジャンクションの間の40.5キロの区間は、当初の計画より2年前倒しして今年度中の完成を目指して工事が進められていました。

今回の事故は神戸ジャンクションから東におよそ1キロのところで起きたということです。22日の工事では建設会社の作業員や交通の誘導をする交通保安員などおよそ50人が作業を行っていたということです。

「ゴーッという音」「すごい爆裂音」

事故現場の近くにある事務所に勤める男性は「ゴーッというすごい音が聞こえたので外に出てみると、10メートル以上の高さにある高速道路が傾き、一部が下の道路に落ちていました。下敷きになった人がいるかどうかなどの状況は分かりませんが、消防車や救急車がたくさん到着し混乱しているように見えます」と話していました。

事故現場の近くに住む68歳の男性は、車で妻と買い物に行く途中、工事中の高速道路の下を100メートルほど通過したあと信号待ちをしているときに橋桁が崩れていくのを目撃したということです。
男性は「叩きつけるような金属音のあと、ズドドドッというもの凄い爆裂音とともに、100メートルはあると思われる橋桁が西側から崩れていく様子が見えました。橋桁は30メートルほどの高さにあり20秒ほどで加速度的に崩れていき、国道を完全に塞ぎました。ふだんは交通量の多い国道ですが幸い車は下敷きになっていないとみられます。ただ、現場で目撃した人から、工事関係者が巻き込まれたと聞きました。僅か数十秒の差で自分が下敷きになっていたかもしれないと思うとぞっとしますし、今も足が震えています」と話していました。

過去の橋桁落下事故

過去に国内で起きた大規模な橋桁の落下事故としては、25年前の平成3年3月14日に広島市安佐南区の新交通システム、アストラムラインの建設現場で15人が死亡した事故があります。

この事故では、重さおよそ60トンの橋桁が、およそ10メートル下の道路に落下し、信号待ちの車などを押しつぶして車に乗っていた人や作業員など合わせて15人が死亡、8人がけがをしました。事故の原因について裁判では、橋桁を支えていたジャッキの位置が適切でなかったために重さに耐えられずに倒れ、橋桁が落下したとされました。さらに、橋桁と橋脚をワイヤーでつなぐなどの落下防止の対策がとられないなど安全管理も不適切だったと指摘されています。