エコノミークラス症候群になった女性「気を付けて」

エコノミークラス症候群になった女性「気を付けて」
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熊本地震の被災地で車内での避難生活が続くなか、「エコノミークラス症候群」になり、一時、心肺停止となった女性が回復してNHKのインタビューに応じ、「自分はすぐに救急車を呼んでもらい助かったが、避難を続けている人たちは水分を取って運動するなどして気を付けてほしい」と話しました。
熊本県御船町に住む宮田利子さん(69)は地震のあと、家の中が片付かない状態で余震を恐れ、夫と一緒に自宅の前に止めた軽自動車の中で寝泊まりしていましたが、車中で4泊した今月18日の朝、自宅のトイレに入ったところで急に胸が苦しくなり倒れました。

宮田さんは救急車で搬送される途中に意識を失って心肺停止の状態になり、病院で、足に出来た血の塊が肺の血管に詰まった「肺血栓塞栓症」、いわゆる「エコノミークラス症候群」と診断されました。医師が血行を安定させる薬を投与し、人工呼吸器を使うなどして救命措置に当たった結果、その日の夕方には意識が戻り、21日、集中治療室から一般の病室に移ることができるまで回復しました。

宮田さんは「エコノミークラス症候群」を予防するため、足を伸ばしたり、水分も意識的に飲んでいたりしたということですが、ふくらはぎ付近の血管で出来た血の塊が移動して肺の血管に詰まったということです。宮田さんは「対策を取っていたので大丈夫だと思っていましたが、対策が足りていませんでした。自分はすぐに救急車を呼んでもらい助かりましたが、避難を続けている人たちは水分を取って運動するなどして気を付けてほしい」と話していました。

対策をとっていたのに

熊本県御船町に住む宮田利子さん(69)は地震のあと、家の中が片付かない状態で余震を恐れ、夫と一緒に自宅の前に止めた軽自動車の中で寝泊まりしていましたが、車中で4泊した今月18日の朝、自宅のトイレに入ったところで急に胸が苦しくなり倒れました。

宮田さんは救急車で搬送される途中に意識を失って心肺停止の状態になり、病院で、足に出来た血の塊が肺の血管に詰まった「肺血栓塞栓症」、いわゆる「エコノミークラス症候群」と診断されました。医師が血行を安定させる薬を投与し、人工呼吸器を使うなどして救命措置に当たった結果、その日の夕方には意識が戻り、21日、集中治療室から一般の病室に移ることができるまで回復しました。

宮田さんは「エコノミークラス症候群」を予防するため、足を伸ばしたり、水分も意識的に飲んでいたりしたということですが、ふくらはぎ付近の血管で出来た血の塊が移動して肺の血管に詰まったということです。宮田さんは「対策を取っていたので大丈夫だと思っていましたが、対策が足りていませんでした。自分はすぐに救急車を呼んでもらい助かりましたが、避難を続けている人たちは水分を取って運動するなどして気を付けてほしい」と話していました。

宮田さんが倒れた状況は

宮田さんは車の中での寝泊まりを4日続けたあとの今月18日の午前6時半ごろ、自宅のトイレに入ったところで倒れ、その後、意識を失いました。夫の雅皓さん(80)によりますと、宮田さんの息が細かったので、消防に通報したということです。

雅皓さんは「トイレに座り込んでいて、息はひゅーひゅーと細かった。エコノミークラス症候群を気にかけていた妻が倒れて、ただただ驚いた。とにかく意識が回復してよかったとうれしく思います」と話していました。また、近所に住む木戸内憲明(64)さんは雅皓さんから連絡を受けて駆けつけ、宮田さんを励ましたということです。木戸内さんは宮田さんたちとともに車の中で寝るときも近くに止めて対応できるようにしていたということで、「声をかけ合って助け合える環境を作っていたことはよかったと思います」と話していました。

宮田さんの症状は

宮田さんは車中での生活が続くなかで、足が長時間圧迫されて、ふくらはぎ付近の静脈に血の塊=血栓ができたということです。

宮田さんの治療に当たった済生会熊本病院の永野雅英医師によりますと、血栓の大きさは8ミリくらいで、心臓から肺につながっている肺動脈まで流れて詰まり、全身に血液が送り出せない状態になったということです。宮田さんが回復したのは発見が早く、救急車の中で救急隊が心臓マッサージを続けたうえ、早く病院にたどり着くことができたためだとしています。

永野医師は「搬送されてきたときは心臓が止まっていた状態だった。人工心肺を使わないといけないかもしれないと思ったが、心臓が動き出したので、薬を使いながら人工呼吸器を使って治療にあたった」と話していました。そのうえで、永野医師はエコノミークラス症候群を防ぐために、避難生活の中で足がむくんできたり、胸が苦しくなってきたりしたら、注意が必要だと指摘しています。

永野医師は「超音波で検査すれば血栓ができているか分かるので異変を感じたら早めに病院を受診することが大事だ。また、予防のためにこまめに足を動かしたり、水分を補給したりすることを強く意識してほしい」と話しています。