スーパーで「味付もやし」と目があった。即座にこの記事を思い出した。それですぐに買ってしまう(「味付もやし」であって「七味もやし」じゃないけれど)。おれは踊らされやすい人間である。
とはいえ、こいつには前々から不思議に思っていたことがある。なんでこんなに危険な包装なんだ? と。なんというか、ちょっとつついたらパーンと弾けてひどい惨劇が待っていそうじゃあないの。開けるときにも細心の注意が必要だが、スーパーでうっかり棚から落として破裂させてしまったり、家に帰る途中になにかにひっかけて破裂させてしまったりしたらどうするんだ。それでもって(「七味もやし」についてだが)、この包装の理由がこうなのだからどうなんだと。
--このパッケージで包装されているのはなにか理由があるんでしょうか?
「いや……とくにはないんですが……むかしからこうだったので、詳しいことはちょっとわからないですね」
わけがわからない。
というわけで、サッカー台でさらにビニール袋に包んで慎重にアパートに持ち帰った。持ち帰ってビール風飲み物を用意した。記事にあった公園でビールともやしの写真の影響である。それに、「味付もやし」には「ビールのお供に」とある。
そして開封の儀となる。「七味もやし」にはある、丁寧な開け方の解説などどこにも書いていない。ともかく、慎重にキッチンバサミでチョキ、ビュー。やっぱ漏れるじゃんか! 21世紀だぞ!
して、肝心の味はというと、思ったよりもやしもやししているなというものだった。もやしなんてものはつけられた味に染み込まれて存在感ないだろうと思っていたら、すこし青くさいようなもやしらしい香りと味がある。そして、豆の部分がこりこりとよい食感。程よい酸味はビール風飲み物ともよくマッチする。一袋一気にいってしまった。悪くない。
……悪くないが、しかしやっぱりこのおっかない包装はなんなんだろうね。なんかこう、おれはもやしくさくなるのは嫌だからやらないけど、どのくらい丈夫かどうか、そう、そこのあんた、落としたり、道に転がしたり、つついたり、強度を実験してみてくれないか?