DPAというマイクメーカーのセミナーを聞いてきた。非常に興味深いものだった。

このメーカーは映画や演劇、ライブパフォーマンスなどの超小型マイクを作っている。



よくTEDなどのプレゼンテーションで耳から細い線のようなマイクが口元に出ていることがある。あれだ。

ゲキシネなんかを見ていると役者のカツラに小さなマイクがついていたりする。あれもそうだ。


フラットタイプの最新型はこんなに小さい。小指の先の半分もない。


この先は穴のようになっている。これをシャツのボタンの穴に裏から通す。全方位の集音ができるのでこれで役者のセリフを録るというわけだ。

事例紹介もわかりやすかった。



映画「レミゼラブル」はあらかじめ録音した楽曲を役者が口パクしながら演技するという従来のミュージカルスタイルをとらなかったことで話題になった。

この映画では実際に役者が歌いながら演じた同録した音声を使っている。

衣装のさまざまな場所に防水処理をした隠しマイクを使っているという。



映画「ルーシー」ではスカーレットヨハンソンが白いタンクトップを着用していた。

このシーンの仕込みマイクの写真もセミナーでは紹介されていた。衣装の一部に縫い込み首の下にマイクがついていた。まったく気づかない。



映画「ガーディアンズオブギャラクシー」の緑色の大男はほぼ上半身裸だが立体的なタトゥーの一部に仕込まれていた。



映画「マッドマックス 怒りのデスロード」ではマックスの革ジャンの両側に2本のマイクが仕込まれている。

走行音なども録るために改造車のバンパーなどにもアンビエンスマイクが仕込まれており録音するクルマはワイヤレスで受診しながら並走して録音している。この録音カーの写真も紹介された。

その他にも実践的なTIPSと事例紹介が多く大変参考になった。

営業マンがプレゼンするだけかと思って行ったら本国からテクニカルエンジニアが来ていて同時通訳でしっかり話すセミナーで予想外の収穫だった。

マルチカメラ収録&配信の音声は予算があれば専門のエンジニアに託しているが、低予算の場合は自分でやることもある。

「クリエイティブであれ!良い音を録るためなら何でもしなさい!」

この言葉が印象に残った。

以上、PROGEAR半蔵門からお送りしました!

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