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ふくらみ続けた大きな風船を顔や身体に近づけられ、そして……

コラム コラム-エッセイ

人は自分のことをどのようなイメージでとらえているのだろうか。文章でしか知らない方がいたら、どんなイメージを持っているのか聞いてみたいし是非教えて欲しい。

それにしてもイメージというのは不思議なものでさ。顔つきが清純そうだったら、この人は異性関係がきちんとしていると勝手に判断したりね。ちゃらちゃらしている人を見て、遊び人だと決め付けたりさ。

人はどこかで色眼鏡をかけて判断している。本当は清純そうに見える人が実は異性関係が激しかったり、一見ちゃらちゃらしている感じの人がきちんとしていたりする場合だってある。

本当の姿というのは見かけだけでは分からないんだよ。知り合いとライブを観に行ったんだけどね。ある事件が起きたんだよ。

ライブを行っている出演者が、大きな風船をガスボンペ式のスプレーでふくらましはじめ、客席にやってきたんだ。もうね、出演者が客席を縦横無尽に歩き回っている最中にも大きな風船はふくらみはじめる。

大きな風船を持った出演者が近づいてきたので、自分は風船から顔を背け、顔をガードするために着ているスーツで顔を覆ったんだ。そんなオーバーにやっている人は自分だけだったらしく、出演者の格好の的になってしまう。

なおもふくらみはじめる風船を顔や身体に近づけられ、自分は大いなる危険が迫っていると感じたんだ。正直な話、自分は風船が割れた時の音が怖いとかではなくてさ。

万が一の危険が映像として浮かんでしまったんだよ。それを避けるためにスーツで顔を隠していただけ。結局風船は自分の側で割れたようで、ライブ終了後、

「石川さん、物凄く怖がっていましたね」

と言われたんだ。その時にスーツで顔を覆っている姿は怖がっているイメージとして周りの人たちから映っていたんだと感じた。自分はすかさず言ったよ。

「風船が割れて、万が一ゴムの破片が勢いよく自分の目に当たったら大変じゃないですか。だから目を守るために、自分はスーツで顔全体をガードしたんですよ」

と……。自分はパソコンに向き合ってキーボードを叩き、マウスを上下左右に動かしている。目が何かの事故でおかしくなってしまったら困るんだよ。

だから非常に大げさな行動に見えたかもしれないけどね。目を守るための行動をしただけなんだよ。自分のイメージでは、まともに大きな風船が割れるまでを見ていたらさ。

破裂したゴムの破片が勢いよく自分に向かってきて、もしかしたら目に飛び込んでくるんじゃないかというイメージ。

一方、他人からは物凄く大きな風船が割れるのを怖がっている人のイメージ。それぞれのイメージが異なるとギャップが生じてしまう。そのギャップの差が大きければ大きいほど人は驚くことになる。

これは自分の持論なんだけどね。人を見かけだけで判断したり、少ししか話したことがないのに、この人はこんな人なんだろうと推測したりすると、とんでもない判断ミスをしてしまう時があるんだよ。

けれどもまた、人は見かけで判断し結論づけてしまう生き物だったりもする。よくタレントがイメージチェンジをすると以前のファンは去っていき、新しいファンが生まれる。

イメージチェンジすることによって以前よりファンの数が増えたりする(逆もありえるけど)。ライブ終了後、こんなことを言われた。

「思っていたイメージと違いました」

と……。うーん、そんなにイメージとギャップの差があるのだろうか。とても気になります。

ギャップはチャンスだ!

ギャップはチャンスだ!