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『シークエンスパラディウム2 〜闇の笑声〜』
製作 光画堂スタジオ シークエンスパラディウム2 〜闇の笑声〜
発売日 1999年12月
価格 9,800円
ジャンル SLG
評価 CG: ☆☆☆☆★
操作性: ☆☆☆★★
ゲームバランス: ☆☆☆☆★
シナリオ: ☆☆★★★
サウンド: ☆☆☆★★
感想

 前作「シークエンスパラディウム」から200年後、神の軍勢たる神槌軍と、それに対抗する妖魔軍の戦いを描く戦術級SLG。主人公アインと其の仲間達は、村の平和を守る為に鋼鉄の騎士モーターヘッド、じゃなくて「ウィザード」と支援要員であるファティマ、じゃなくて「パラスィート」を駆り、妖魔軍や貴族達と戦うが、アインには敵帝国の大幹部の落とし子だったり、妖魔の中心人物の生まれ変わりだったりともう大変な秘密が! 村の明日はどっちだ?!  

 難易度が高く、パラメータも多いマニアックなシミュレーションで有名な光画堂スタジオが送り出した名作「シークエンスパラディウム」の続編

 前作のファンであった小官などは其の発売を固唾を飲んで見守ったが、意外とこっそりと発売され、前作のブームよりも下火な展開を見せてくれた。何しろ、前回は雑誌メディアへの露出こそ殆ど無かったもののWeb上での評判は高く、多数のHPが作成されたのに、今回は専門HPどころか片手間に攻略するHPも無し。とほほ。
 一見、前作で多かったバグも改良され、システム的には煩雑な部分を減らし、難易度も低下。問題の無い造りと成っており、前作ファンは喜んで然るべき所を何故? と云いたいところだが、理由は分からなくもない。恐らく、「面白みがない」のだろう。何しろ、AOK等の優秀なSLGが揃い踏みしている昨今に、2年前に出たゲームをそのまま出しているのだから……。
 もし次回作があるので有れば、技術的な不利は一朝一夕に埋められないのは重々承知しているので、シナリオ面でよりハードなものを期待したいと思う。

 以下、各論。

 CGは、相変わらず優秀である。主人公達の操るウィザードのデザイン、町の風景、登場キャラの顔グラフィック等々。特に、町や山の風景は美麗である。こういう仕事は目立たないのが残念。

 操作性は、可もなく不可も無し。セーブポイントは多いし、魔法のアニメーションもカットできるし、音声と音楽は別々にON/OFFが決定できるし。また、操作性に直接関連はしないが、CPUの思考時間が長いのが気に掛かる。何しろ、敵のユニットが少ないときにも80体、多いときには160体、最終面など300体強が現れるのであるから、無理からぬ事では有るのだが……5分近くの間、隣接攻撃に対処すべく画面に張り付いているユーザーの苦労も察して欲しいものである。

 ゲームバランスは、自動的に発生するPASSIVシナリオは簡単で、引き受けても引き受けなくても良いACTIVEシナリオは難易度が高め。ACTIVEシナリオの中には、「おいおい、こんなんクリアー出来るんかい!?」と突っ込みたくなるような難易度のシナリオも多いが、実は此のゲーム、一周目が終わると其の成長データを使用して最初からトライ出来るので、二巡目用と考えれば納得も行く。
 前作は、PASSIVEシナリオが滅茶苦茶難しいという些か理不尽な面も有ったので、此の改善はポイント高し。

 シナリオは……うーん。
 今回も一応分岐が有るらしいけど、どうにも分岐の条件が分かり辛く、面倒な印象を拭えず。
 オマケに、主人公が無個性で、感情移入しやすかった前作に比べ、今回は前世とか落とし子とか、特殊な背景が多すぎ、其れによってシナリオが進行してしまい、プレイヤーの意志が反映される場面が皆無であったのは非常に大きなマイナス。前作がマルチシナリオとするなら、今回はNPC語りまくりの一本道シナリオといえようか。
 しかし、誉めるべき点も有る。これは、シナリオと云って良いのかどうか分からないが、前作では名前以外は決まっていなかったウィザードや武器に、詳細な設定が付与され、情報コマンドで見る事が出来るのだ。設定マニアには答えられない機能と云えよう。勿論小官も結構いける口なので、其の存在が辛うじてシナリオの点数を1点から2点に格上げしているとゆーのは、秘密だ。

 サウンドは相変わらず良好。聞いていて飽きない不思議な雰囲気が好きだな、小官は。ちなみに、今回はパラスィート達の声を担当する声優さんも、丹下桜、三石琴乃、氷上恭子、根谷美智子etcと非常に豪華になっている。

 最後に、しーぱら2のHPを見掛けた方、もしくは所有されている方、是非当方の掲示板にURLを記入していって下さい。お願いします。


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