[PR]

 中国の国営中央テレビは20日夜、沖縄県の尖閣諸島に関連する写真撮影や軍事情報の収集を行って外国に提供したなどとして、中国人の男がスパイ行為をした罪で懲役7年の実刑判決を受けたと報じた。外国の具体名は挙げていないが、男に依頼した人物として日本人とみられる名前を伝えるなど、日本の関与を強く示唆する内容だ。

 中央テレビによると、被告の男は浙江省出身で、国家安全当局に拘束された。2012年11月~13年12月の間、「某国」の諜報(ちょうほう)機関の要員に中国の軍事施設と区域の写真を提供したと認定された。男が渡した情報には、尖閣諸島付近に赴く中国船に関するものも含まれていたという。

 男は留学先の国で起業。そのころ知り合った人物から情報提供を持ちかけられたという。中央テレビは国名を明かしていないが、依頼者の「寄田」という名前のほか、日本の紙幣の映像などを放送した。

 中国は一昨年に反スパイ法、昨年には新たな国家安全法を施行。今年から4月15日を「国家安全教育の日」と定めており、スパイにまつわる報道が目立っている。(上海=金順姫