熊本地震 地盤変動は東西約80キロの範囲に

熊本地震 地盤変動は東西約80キロの範囲に
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「熊本地震」の一連の活動では、熊本県を横断するように東西およそ80キロにわたって地盤が広い範囲で変動していることが、地球観測衛星の観測データの解析で分かりした。専門家は、まだ地盤の亀裂などが見つかっていない場所でも今後の地震の揺れや雨による建物倒壊や土砂災害に警戒が必要だと指摘します。
今月14日以降、熊本県では規模の大きな地震が相次いでいることから、国土地理院は、地球観測衛星「だいち2号」が観測したデータなどを基に地盤の変動を解析しました。
その結果、水平方向の変動が10センチ以上現れている範囲は熊本県を横断するように宇土半島から熊本平野、阿蘇山にかけての東西およそ80キロ、南北およそ40キロに及んでいました。
このうち、地震活動が活発になっている布田川・日奈久断層帯の境に北側、震度7を観測した益城町や西原村がある地盤が東向きに最大で1メートル50センチ以上変動していました。
一方、南側にある南阿蘇村役場周辺の地盤は、30センチ近く西向きに変動していました。
また、上下方向は、断層帯を境に北側が最大で1メートル20センチ以上沈降した一方で、南側が40センチ以上隆起し、地盤が広い範囲で変動していました。
土砂災害のメカニズムに詳しい砂防・地すべり技術センターの池谷浩研究顧問は「激しい揺れだけでなく、地盤そのものの変動によって建物の倒壊や土砂災害が相次いだとみられる。まだ地盤の亀裂などが見つかっていない場所でも今後の地震の揺れや雨により建物倒壊や土砂災害のおそれがあるので警戒してほしい」と話しています。