僕の名前は龍之介、和菓子屋「花より団子」3代目の若旦那です。・・正確に言うと元若旦那です。
親父が亡くなりお店を継いでから約4年。自分なりに頑張ってきましたが遂に今日、お店が潰れてしまいました。
しくしく・・・ごめんよぉ~僕が不甲斐ないせいで~。
えぃーうっとうしいわね!もう手遅れよ!ウジウジするんじゃないわよ!
今、僕のお尻を思いっきり蹴っ飛ばしたのは僕の可愛い妹の桐乃です。「花より団子」の看板娘で純朴な女の子だったんですがお店の経営が悪化するに伴いやさぐれてしまいました。
そもそもアンタが売り物をしょっちゅう摘み食いしているから、こんな事になったんでしょ!
美味しそうだからつい(テヘペロ)。
こ、このブタ~!アンタのせいで大学を中退したのよ!私の将来どうしてくれんの?
ひぃー、ごめんよぉ~謝るから胸ぐらを掴まないでー。
桜井さん・・・。
この桜井さんというおじいちゃんは祖父の代からの常連さんです。口も態度も悪いけど、僕が作ったおまんじゅうをいつも美味しいと言って食べてくれるイイ人です。
実は・・・(かくかくしかじか)。
・・・・はぁ~。大食いとは聞いていたが店の商品まで喰ってたのか。まったく、しょうがねーな。
あぁ・・・僕のせいで・・桐乃ごめんよぉ~。桜井さんもおまんじゅうを作れなくなっちゃってごめんなさい。あぁ、コレからどうしよう~。
・・・まったく、しょうがねーな。ホラ。
桜井さんがポケットから取り出したのは名前と住所のみが書いてあるシンプルな名刺だった。
俺の名刺だ。ちょうど従業員を2人くらい募集しようと思ってたところだ。明日から来い。
えっー代表取締役って書いてある!桜井さん社長さんだったんですか?
口が悪い桜井さんを毛嫌いしていた桐乃が、目を輝かせて桜井さんに話しかけている。お金や地位って怖いなぁ。
・・・まっ、そんなところだ。名刺に住所書いてあるから明日から来いよ!いいなっ。
あざーっす!
で、でも僕たち和菓子を作るしか取り柄がないですよ?
お前たちのような出来の悪そうなやつでも、覚えたら誰でも出来る簡単な仕事だ。安心しろ。
よ、良かった~。で、でもどうしてそこまでしてくれるんですか?
ゴチャゴチャ細けえ事はいいんだよ、来いよ!じゃぁーな!・・・お前らの祖父には恩があるからな(ボソッ)。
僕と桐乃は路頭に迷う事は無くなった!よかったぁ・・ありがとう桜井さん!でも、どんな仕事してるんだろぉ?
翌朝
オイっ!バカ兄貴。住所違うんじゃねーだろうな?なんだこのバカでかい家!
ま、間違いないよ!す、すごいなぁーこんな大きな屋敷に住んでたんだ。
桜井さんは独り身だと言っていただけど、こんな広い豪邸に住んでいるなんて驚きだ!
ここがお前らの仕事場だ!
パソコンの画面だらけだ・・・目がチカチカする。
さ、桜井さんなんですかコレ?僕らなにをしたらいいんですか?
今日からお前らは株式投資をしてもらう(ニヤリ)。
株式投資?
株式投資って素人が手を出すと失敗して財産を失ったりとか、借金をつくちゃったりしないのか?不安だなー。
なーんだ、株式投資するだけかぁー。パソコンの前でカチカチすればいいだけでしょ?バカ広い家の清掃とかやらされるのかと思ってた。
ラッキー。
あー。清掃も、炊事、洗濯もしてもらうぞ。住みこみでな。
ちぇー、やっぱそうかぁークソッ。
桐乃は株式投資に対して何にも抵抗がないようだ。
さ、桜井さん。株式投資をやれと言っても、僕ら株に対して何も知識がないんです。あと、株式投資は失敗すると借金とか作っちゃったりしないんでしょうか?僕、正直自信がありません。
せっかく仕事を紹介してくれた桜井さんに対して、失礼な質問だったかな?だけど、どうしても不安だ。
大丈夫だ。株に対する知識は基礎から教えるし資金を守る投資ルールまでちゃんと教えてやるから安心しろ。
でもさー株式投資って儲かるの?やった事ないからわかんないんだけど~。
まったく!お前らウォーレン・バフェットって知ってるか?
・・・。
ウォーレン・バレットはアメリカの1930年生まれで、1954年の24歳のときわずか10,000ドル(約100万円)を元手に株式投資を始めたんだ。
アメリカの長者番付に1986年からずっとベスト10入りしているぞ。
す、すごい!そんなに儲かるんだ~!!私、株やる~絶対やる!
突然後ろから声がして、振り返ると大柄な外国人の男女が自信満々な風貌でたっていた。
な、なんだこのデッカイ外国人は!しかも態度もメチェメチャでかいぞ!
コラァッ!土足で部屋に入ってくるなっと何遍言ったら分かるんだ!それに不法侵入だぞ!!おい、龍之介!奥部屋から狩猟銃持って来い!
あわわわ桜井さん、メッチャ怒っている。ど、どうしよう~本当に射っちゃうんじゃ・・・。
Mr.サクライ。ワタシの部下になりなサーイ。報酬ならいくらでも払いマース。
しつけーな。イヤだって言ってんだろ!いい加減にしねーと、流石に怒るぞ!
いや、もう怒っているし。。あわわわ、修羅場だ!どうしよう・・・。
あのさー誰だから知らないけど、なんでこのクソジ・・あっ間違えた!桜井さんを部下にしたいのさ?
私が説明しマス。Mr.サクライはウォール街では知る人ぞ知る伝説のトレーダーなんデス。我々は彼をスカウトしに来まシタ。
ワタシは超大手ヘッジファンド「ゴールドウーマン・サックス」の超超エリート社長のトムデース!HAHAHA。
ワタシはその美人秘書のキャメロンデース。
えぇ~!自分達の事をエリートだとか、美人とか平気で言っちゃってるよ!文化の違いなの?あわわわ・・・。で、でもキャメロンさん本当に美人だ。
返事は変わらねーよ。組織で投資をしてゴタゴタするのは懲り懲りなんだよ。俺は一匹狼なんだよ。分かる?
自分の事を一匹狼って言っちゃってるよ!で、でも桜井さんが言うとなんだかカッコイイ!
それに弟子を2人もとっちまったからな!色々と忙しいんだよ!
OH~。ひょっとしてそこにいる2人のガキ共でスカ?HAHAHA正気デスカ?Mr.サクライ。こんなスモウレスラーとリトルモンキーにアナタの弟子なんて務まるわけありまセーン。
スモウレスラーとリトルモンキー?・・・ハッ!リトルモンキーって私の事?ふざけんじゃねーぞ金髪豚野郎!
あわわわ、桐乃が切れちゃったよ!あ、あれ?でもなんでトムさんは顔を赤らめて嬉しそうなんだ・・。ま、まさか!・・・人が恋におちる瞬間をはじめてみてしまった、まいったな。
と、とりあえず今日は帰りマース。HEY、スモウレスラー!あのアグレッシブな娘はなんて名前なんデスカ?
えっ!な、なんで僕の妹の名前をアナタに教えなきゃいけないんですか!
一万円あげま・・。
桐乃です!僕の妹は桐乃っていいます。
なるほど!(メモメモ)。それではまた、明日来まーす。HAHAHA
トムさんと美人秘書のキャメロンさんが帰って行った。まるで嵐が来たような感じだったな。またキャメロンさんに会えるのが楽しみだなぁ。
オイ、お前らに俺の弟子が務まるワケないって言われたぞ。悔しくないか?
絶対ギャフンと言わせてやる!早く、株式投資の事教えてよ!
こうして僕らの株式投資の授業がはじまった。