ヘッジファンドへの投資家が高い手数料に反発、1~3月期に150億ドルを引き揚げ、同業界はここ7年で最悪の四半期に直面した。
1~3月期のヘッジファンドへの投資総額は2.86兆ドルに落ち込み、2009年以来初めて2期連続で純減を記録した。
市場の変動が激しいため多くのヘッジファンドグループが困難な状況に陥り、ビル・アックマン氏のパーシング・スクエアを含め1~3月期の業績はさえなかった。これまでも2%の運用手数料と利益の20%を徴収する仕組みに不満をもっていた有力投資家は一段と怒りを募らせている。ヘッジファンド・リサーチ(HFR)の統計では、ヘッジファンドの実績を示す1~3月期の代表指数は0.7%低下した。
ニューヨーク市職員退職年金基金は「法外な手数料」にうんざりし、ヘッジファンドへの15億ドルの投資を減額、ペリー・キャピタルやブレバン・ハワードなどから資金を引き揚げている。約18カ月前にはカリフォルニア州の年金基金がヘッジファンドを資金運用先から外している。
政府系投資ファンド(ソブリンウエルス・ファンド=SWF)もここに来て、世界中で資産運用会社から数十億ドルに上る資金を引き揚げている。石油に依存し低迷する自国経済の立て直しに注力し始めたからだ。
ニューヨーク年金基金を市民の側から監視している、レティテア・ジェームズ氏は、資金を運用しているヘッジファンドが「損を出しても悪いことは何もしていない」との認識から、「投資家に有利な条件についての交渉を渋っている」と資金運用担当者を批判している。
「彼らが本当に運用受託者としての自覚があり、我々の年金受給者に配慮するのであれば、利回り達成の約束を守れなかったにもかかわらず、多額の手数料をとることはできないはずだ」と同氏は言う。「夏の別荘やジェット機を売って手数料を投資家たちに還元したらいいではないか」とも強調した。
1~3月期に解約が多かったのは、マクロストラテジー部門とイベントドリブン型ファンド。前者では73億ドルの投資資金が流出した。後者の流出額は83億ドルで、そのうちの半分以上がアクティビストストラテジー部門からの流出だった。
だが、年金基金の中にはヘッジファンドへの投資を増やしているところもある。フィンランドの国家基金は今年、5億ドルをヘッジファンドに投資する予定だし、米イリノイ州立大学連合退職年金基金は初めてのヘッジファンドを通じた運用として5億ドルを投資する。
米国の保険会社のなかにも利回りを増やそうとヘッジファンドに打診しているところがある。
By Mary Childs, Lindsay Fortado
(2016年4月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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