国交省 三菱自動車に立ち入り検査 さらに報告求める

三菱自動車工業が軽自動車の燃費を実際よりよく見せる不正を意図的に行っていた問題で、国土交通省は、会社によるこれまでの説明は納得できるものではないとして、21日も三菱自動車に対し立ち入り検査を行うとともに、今月27日までにさらに詳しい内容を報告するよう求めています。
今回の問題で、国土交通省は20日に続いて21日も、愛知県岡崎市にある三菱自動車工業の「技術センター」に立ち入り検査を行い、不正が行われたいきさつなどについて詳しく調べています。
国土交通省によりますと、燃費や排ガスの数値は、東京・調布市にある交通安全環境研究所で車のタイプごとに試験を行い、その結果をもとに国が認定しますが、空気抵抗や、タイヤと路面の摩擦で生じる走行抵抗のデータは、各メーカーが提出しています。
今回は、走行抵抗のデータで不正が行われた初めてのケースだということで、国は、性善説に基づく自動車検査の信頼性を損なうものだと受け止めています。
一方で、三菱自動車によるこれまでの説明は納得できるものではないとして、国土交通省は、立ち入り検査を行うとともに、今月27日までにさらに詳しい内容を報告するよう求めています。
また、国土交通省は、三菱以外のメーカーに対しても、来月18日までに、同じような不正がないか報告するよう求めています。

国交相「極めて重大な事案だ」

石井国土交通大臣は、三菱自動車工業が軽自動車の燃費を実際よりよく見せる不正を意図的に行っていた問題について、政府の非常災害対策本部会議のあと記者団に対し、「わが国の自動車業界に対する信頼性を失墜させかねない、極めて重大な事案だ。三菱自動車はこれまでもリコール隠しなどの不祥事を起こしており極めて遺憾だ」と述べました。

経団連会長「原因究明と再発防止を」

経団連の榊原会長は、三菱自動車工業が軽自動車の燃費を実際よりよく見せる不正を意図的に行っていた問題について記者会見で、「日本を代表する大企業でこのようなことが起きたことは誠に残念だ。まず不正を行った原因の究明、再発防止、不正で損害を受けた方への補償について、国民が納得できるような対応を速やかに示していただきたい。ほかの企業も、絶対にこういうことを起こさないということで改めて襟を正してもらいたい」と述べました。