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【プロ野球】

楽天・嶋、熊本へエールのサヨナラ打 連敗も6でサヨナラ

2016年4月21日 紙面から

楽天−オリックス 12回、サヨナラ打を放ち、ナインの手荒い祝福を受ける楽天・嶋(左から3人目)=コボスタ宮城で

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◇楽天4−3オリックス

 楽天が今季初のサヨナラ勝ちで連敗を6で止めた。3−3の延長12回2死一、二塁から嶋の左越え安打で試合を決めた。浜矢が2年ぶりの勝利。オリックスは先制したが逆転負けした。

     ◇

 やはり、この男は役者だ。連敗を6で止めたサヨナラヒーローの楽天・嶋がお立ち台からスタンドに向かって叫んだ。

 「熱い応援ありがとうございます。話は変わりますが、5年前に震災が起きて、僕たちは、たくさんの人たちに支えられました。今、熊本で困っている人たちがいます。少しでも力になれるように、ここにいるみなさんも温かい気持ちを送って、日本を盛り上げていきましょう」

 2011年3月11日に起きた東日本大震災後、「見せましょう、野球の底力を」と悲嘆に暮れる東北の人たちに熱いメッセージを送った男が、今度は、遠い熊本の人たちにエールを送った。

 頼れる男だ。負けがなくなった後の延長12回裏、打率1割台のベテラン松井稼が中前打で出塁。送りバントなどで2死一、二塁と好機が広がり嶋に打順が回ってきた。6回に同点1号ソロを放っている嶋は自分で決める気満々。カウント3−0からは一塁側スタンドに落ちるファウル。続く5球目をフルスイングすると、打球は前進守備だった左翼手の頭上を越えた。

 「(松井)稼頭央さんが必死に出塁して、中継ぎ陣が必死にマウンドを守って、ここで、決めなきゃ、男じゃない!10時過ぎた頃から、早く決めろとやじられてたんで、(打球が)抜けて良かった」。

 チームの危機だった。6連敗中。負ければ、最下位転落。試合前、「連敗は意識せずに、今日から開幕のつもりでやろう」とゲキを飛ばした梨田監督も「今日の勝ちは3倍、うれしい。中継ぎ陣もよく投げてくれたし、収穫のある1勝」とニンマリ。今年の楽天は簡単には死なない。 (竹下陽二)

 

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