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自分用備忘録的な何か。

【ゲームレビュー】朧村正DLC 元禄怪奇譚 ファンなら買い。それ以外は…

ゲーム レビュー

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本エントリは、下記のエントリの続きのようなものである。未読の方は是非一読願いたい。

potatostudio.hatenablog.com

朧村正がPSVitaに移植される際に、同時に4本のダウンロードコンテンツ(以下DLC)が出ると発表された。それが、この元禄怪奇譚シリーズだ。

朧村正+元禄怪奇譚 DLC 全四篇プロダクトコード入りパッケージ

朧村正+元禄怪奇譚 DLC 全四篇プロダクトコード入りパッケージ

 

元禄怪奇譚は朧村正の「続編」ではない。あくまで外伝である。だから、主人公はDLC毎に違うし、ストーリーにもほとんど関連性はない。だが、一部にちょっとつながりがあったりして面白い。

4本のDLCはそれぞれ独立していて、どれからやってもいいし、4本揃えたからといって何かがあるわけでもない。だが、プレイするためには朧村正の本編が必要になる。

このDLCは正直かなり本編とは毛色というか、プレイフィーリングが違う。それに、難易度も高い。完全に本編をクリアした人向けのファンアイテムだ。なので、チュートリアルで死ぬなどということもありえるだろう。

本編はザクザク敵を斬っていき、無双ゲームのような爽快感のあるゲームだったが、このDLCは何も考えずにやっているとわりと死ぬ。連続攻撃が難しい、コンボが続きにくいキャラも多く、爽快感という点では本編より一歩後退していると言わざるを得ない。

では、一つ一つのDLCの特徴を見ていこう。

 

「津奈缶猫魔稿(つなかまねこまたぞうし)」通称「化猫」

ある陰謀により暗殺された主人公の恨みが、飼い猫の三毛に乗り移り、化け猫となって復讐をするというストーリー。

本編の妖刀にあたる部分を「变化」に置き換えてある。まずは素早い攻撃でコンボを繋げやすいお恋、遠距離攻撃が出来る三毛、そしてゲージが貯まると使える一定時間無敵になる化け猫…この3種類の攻撃方法を切り替えて進んでいく。

話自体は短い。これはこの元禄怪奇譚シリーズ全体に言える話だが、メインのストーリーは4〜5時間程度あれば終わってしまう。だが、通常価格で500円という値段を考えると十分遊べる範囲内であるといえるだろう。

本編では、霊力がなくなり妖刀が折れると、すぐ次の妖刀に切り替えることが出来た。3本持てるので、霊力不足に陥る機会はそれほどなかったのだが、このDLCは3つめのモードがゲージ管理なので、時々攻撃手段を失って逃げまわるハメになる。本編よりも霊力ゲージの管理がかなり重要だ。

 

「大根義民一揆(おおねぎみんいっき)」通称「一揆」

一揆である。マジ一揆。サンソフトの「いっき」が現代に横スクロールアクションとして蘇ったらこんな感じなんではないかというようなイメージだ。

ストーリーは、年貢の増税?に苦しむ農民が一揆を起こすという鉄板のお話。主人公は当然農民である。名前は権兵衛。萌えもへったくれもない一揆ゲーだ。

攻撃手段は、一撃が重いが攻撃力が高いクワと、連続攻撃が出来る竹槍、そして遠距離攻撃ができるカマの3種類。

さらに、権兵衛の死んだ妻お妙が幽霊として同行するため、彼女がしゃがみ攻撃時や二段ジャンプの時にサポートしてくれる。農民だって幽霊の力を借りれば超人的な能力を発揮できるのだ。

霊力が満タンの時に△ボタンを押すことで発生する本編で言う「居合」時は、仲間の農民がやって来て加勢してくれるという設定に置き換わっている。みんなで手分けして上京?しているため、呼べば現れるということらしい。

なんだかこのDLCではお金が手に入りにくく、ほとんど買い物らしい買い物は出来なかった。なので、4つのDLCの中で一番キツかった。やっぱり世の中金なのか…

 

「七夜祟妖魔忍伝(ななやたたりようまにんでん)」通称「白蛇」

主人公は忍者である嵐丸。だが、本編の鬼助とは全然攻撃方法が違う。むしろ、雑魚キャラとして出てくる忍者の攻撃方法に近い。

遠距離攻撃ができる苦無(クナイ)、範囲攻撃が出来る鎖鎌、威力が高いがすぐ霊力が切れる爆弾と、あの固定画面で出てくる忍者たちの武器そのままだ。

訳あって白蛇にとりつかれているので、空中で必殺技を使うと白蛇による強力な攻撃を繰り出すことが出来る。

4つのDLCの中で一番ストーリーが重い。だが、何故か一番(時間的に)あっさり終わってしまった。攻撃方法が特殊なだけに、難易度は高い。エンディングでちょっとだけ次のDLCの主人公が出てくる。

 

「角隠女地獄(つのかくしおんなじごく)」通称「鬼娘」

4つのDLCのなかで最も本編にプレイフィーリングが近く、爽快感もある。

主人公は閻魔大王の末娘羅邪鬼。化け猫と同じように变化して戦うのだが、攻撃のコンボを繋げやすいため操作は極めて両好。

武器は素早い攻撃ができるまさかり(子供)、一撃が重い割にコンボが繋げやすい金棒(大人)、ゲージが溜まった時だけ一定時間無敵で繰り出せる大鬼の3種類。みんな連続攻撃が出しやすく、かなり扱いやすい。

ストーリーはかなりコメディタッチ。だが、最後はなかなかおもしろい。この元禄怪奇譚のなかでやっていて一番楽しかったかもしれない。

 

と、4つのDLCの概要を述べてきたが、総じて難易度は高く、多少のレベル上げもしないと簡単にはボスに勝てない。

さらに、ボリュームがみんな5時間前後と短いので、プレイするなら4本セットで買うのがいいだろう。だが、このDLCを楽しめるのは朧村正のファンだけである。さらには、本編とはかなり趣が違うので、軽い気持ちで始めると痛い目にあう可能性もある。

一応、エンディングを見た後に隠し要素で本編のボスと戦うことが出来、その際に手に入る特定のアイテムを装備してもう一度ラスボスを倒すと、別のエンディングが見られるが、これは結構キツイ作業だ。特に権兵衛は結構マゾゲーである。河童、天狗、幽霊あたりが鬼門なので、マジでシンドい。

本編は万人に勧められる爽快無双アクションだったが、このDLCは「朧村正」という世界観に魅せられた人向けのファンアイテムといえるだろう。

まあ、総じてDLCなんてそんなものなんだけどね。