【コラム】

システムの評価、できてますか?

6 身近な定量評価その4 - Mac OS Xでの情報収集

鶴田展之  [2007/01/25]

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前回までWindowsの便利な管理ツール「perfmon.exe」を使ってみたが、Macの場合はどうだろう。まず、パフォーマンスモニタ的なツールとしては、「アクティビティモニタ」ユーティリティがある。

ただ、アクティビティモニタはの機能はWindowsのタスクマネージャと同程度でしかない。つまり状況の表示はできても、継続的に情報を収集し、ログとして残していくことができないのだ。定量的な評価のための情報収集手段としては、ちょっと役不足である。

しかし案じることは無い。ご存知の通り、Mac OS XはUNIX系のオペレーティングシステムであり、ターミナルを起動すれば、いつでもUNIXのシェルコマンドを実行できる。そして長い歴史を持つUNIXには、性能評価のためのコマンドも多数用意されているのである。

まず、Solaris等の管理者にはお馴染みの「sar」コマンドは、Mac OS Xでも使える。このコマンド名は「System Activity Reporter」に由来している。つまり、「システムの動作」を「報告」するコマンド、というわけだ。まず、基本的な使い方を見ていこう。特にオプションを指定しなければ、sarはCPUの動作を報告する。

$ sar 2 5
 
 
22:20:27  %usr   %sys   %idle
22:20:29    3      7     90
22:20:31    3      6     91
22:20:33    5      7     88
22:20:35    2      9     89
22:20:37    3      5     92

引数として渡している2つの数字は、最初がインターバル、2番目が報告する回数だ。上記の例では、2秒間隔で5回、CPUの情報を収集して表示させている。表示の各列は、時刻、プロセスのユーザモードでのCPU使用割合、プロセスのカーネルモードでのCPU使用割合、アイドル(CPUが何もしていない状態)の割合を表している。

次に、メモリの動作。「-p」でページイン、「-g」でページアウトの動作を見ることができる。

$ sar -p 2 5
 
 
22:40:07     pgin/s        pflt/s        vflt/s
22:40:09        0.0           2.0         439.0
22:40:11        0.0           4.5        1014.5
22:40:13        0.0          17.5         636.5
22:40:15        0.0           1.0         854.5
22:40:17        0.0          61.0         958.5
Average:        0.0          17.2         780.6
$ sar -g 2 5
 
 
22:42:00    pgout/s
22:42:02        0.0   
22:42:04        0.0   
22:42:06        0.0   
22:42:08        0.0   
22:42:10        0.0   
Average:        0.0

ディスクの動作は、「-d」オプションで取得できる。

$ sar -d 2 5
 
 
22:42:52   device    r+w/s    blks/s
New Disk: [disk0] IODeviceTree:/PCI0@0/SATA@1F,2/PRT2@2/PMP@0/@0:0
22:42:54   disk0        0         60
22:42:56   disk0        0          0
22:42:58   disk0       15        293
22:43:00   disk0        1         16
22:43:02   disk0       27       1039
           disk0    IODeviceTree:/PCI0@0/SATA@1F,2/PRT2@2/PMP@0/@0:0
Average:   disk0         9       282

sar以外にも、メモリの詳細な使用状況を見る「vm_stat」、ディスクI/OとCPUの使用状況を報告する「iostat」等、Mac OS Xでは様々なUNIXコマンドが使える。また、シェルの「リダイレクト」や「パイプ」といった機能を利用すれば、収集した値をファイルにログとして残していくことも容易だ。例えば以下のコマンドを実行しておけば、vm_statが出力するメモリの動作状況が、5秒間隔で継続してvm_stat.logファイルに記録される。

$ vm_stat 5 > vm_stat.log &

こういったコマンドやシェルの使い方は、一度覚えておけば他のUNIX系OSでも応用できる。オプションや出力形式、コマンド名に多少の違いはあるが、Mac OS Xで使える方法は、その多くがLinuxやSolarisでも使えるものだ。今後いろいろな場面で応用できるよう、次回はsarをもう少し詳しく使ってみることにしよう。

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インデックス

連載目次
第25回 Webサーバの定量評価 - アクセスログとデータマイニング
第24回 「OSDL DBT-1」を試してみる - DBT-1の出力結果
第23回 「OSDL DBT-1」を試してみる - テストを実行してみよう
第22回 「OSDL DBT-1」を試してみる - テストを実行するための最終的な設定
第21回 「OSDL DBT-1」を試してみる - サンプルデータの作成
第20回 「OSDL DBT-1」を試してみる
第19回 OSDL Database Test Suiteでデータベースを評価する
第18回 トリアージ値の定量化はいかにして行われたか
第17回 トリアージ値、ご存知ですか?
第16回 セキュリティの国際基準を見てみよう
第15回 セキュリティの定量評価(1)
第14回 使いやすさの定量評価 ユーザの操作をロギングする
第13回 「使いやすさ」の定量評価
第12回 ハードディスクの温度をグラフ化する
第11回 もっと高度なS.M.A.R.T監視を体験
第10回 ハードディスクをS.M.A.R.Tで診断
第9回 Webサーバの信頼性を計算したい! - 信頼性と「バスタブ」のいろいろ
第8回 信頼性評価のキホン
第7回 身近な定量評価 - sa2で毎日のレポート
第6回 身近な定量評価その4 - Mac OS Xでの情報収集
第5回 身近な定量評価その3 - perfmon.exeで継続的に情報収集
第4回 身近な定量評価その2 - Windowsのperfmon.exeを使ってみる
第3回 定量的な評価を身近で体験してみる
第2回 定性的と定量的って?
第1回 「反省」するだけじゃダメ、失敗を評価してますか?

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