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高橋洋一の俗論を撃つ!

被災地支援は個人はふるさと納税、国はヘリコプターマネーで

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第143回】 2016年4月21日
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自粛ムードは控えたい
稼いで義援金やふるさと納税を

少しでも被災者のために役に立ちたいという気持ちは大切だ

 熊本地方の連続地震があった。14日21時26分、マグニチュード6.5、最大震度7という大地震があったが、なんとそれは「前震」で、「本震」は16日01時25分、マグニチュード7.3、最大震度6強という大地震だという。さらに、震源地が広がっていくようで、従来の常識がまったく通用しない怖さがあった。

 被災者にはお悔やみ申し上げる。被災者でない人が今できることを考えてみよう。

気象庁の震度データベースをみると、1923年以降、震度7を記録した地震は今回の熊本大地震では2回(マグニチュード7.3とマグニチュード6.5)もあり、これらを含め5回しかない。1995年1月17日阪神・淡路大震災(マグニチュード7.3)、2004年10月23日新潟県中越地地震(マグニチュード6.8)、2011年3月11日東日本大震災(マグニチュード9.0)である。

 少しでも被災者のために役に立ちたいという気持ちは大切だ。ただ、その一方で、自粛ムードが広がるのは避けたい。

 ACミランの日本代表FWの本田圭佑氏は、「ただただ気にしています。心配しています。応援しています」としながら、「様々な分野で自粛のニュースを目にしますが僕は自粛するのは間違っていると思います」という勇気ある正論を、自身のサイトにアップした。実業家の堀江貴文氏もツイッターで同旨の主張をし、ふるさと納税にも言及していた。

 かつて、9.11テロがニューヨークで起こったとき、当時のジュリアーニ市長は「いつかニューヨークに行こうと思っていた各地各国の人は、今こそ来てほしい」と言った。自粛ムードとは違うメッセージだ。

 亡くなられた方や怪我をされた方のことを考えると、「はしゃぐな!」というムードは確かにわかるが、それが被災地の方の見方かどうかは疑問である。被災地の方を元気にしたいなら、自粛ムードより、熊本県産品を買うほうがいいだろう。

 支援物資については、東日本大震災時に個人で物品を送ったものは結局ゴミになった、という話も聞く。古いドラマではあるが、「同情するならカネをくれ」という台詞には一面の真実があったというわけだ。

 自粛に走ることなく、普通に行動しながら、支援の方法もあるだろう。筆者としては、妙な自粛はせずに稼いで、義援金を出したり、ふるさと納税したほうがいいと思う。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

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