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「2020年に向けRHELとそれ以外を5:5の割合に」、レッドハット望月社長が事業戦略を説明
(2016/4/21 06:00)
レッドハット株式会社は20日、2017会計年度(2016年3月〜2017年2月)の事業戦略について、報道関係およびアナリスト向けの説明会を開催した。
2015年11月より同社 代表取締役社長を務める望月弘一氏は、「2020年に向けて事業を倍増する。2017年度はそのための基礎を築く年であり、向こう10年の基礎を築く年となる」と語った。「いまRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のビジネスが売上の8割。これからRHELは毎年1割の伸びを目指しつつ、それ以外のビジネスをRHELを超える割合で伸ばし、2020年に向けて5:5の割合にもっていく」(望月氏)。
RHEL以外の成長領域としては、OpenStackやRed Hat Enterprise Virtualization(RHEV)、Red Hat Storageなどの「クラウドビジネス」、Red Hat SateliteやRed Hat Insights、Ansible Towerなどの「ITマネージメントビジネス」、JBossやOpenShiftなどの「アプリケーションプラットフォームビジネス」の3つが挙げられた。
そのうえで、2017年会計年度の最重要テーマとして「OnenStackでトップシェアを獲得する」「Ansibleビジネスの立ち上げ」「企業によるコンテナ活用を定着させる」「全てのクラウド、オンプレミスで、RHELのトップシェアを取り続ける」の4つが掲げられた。
すべてのサーバー環境でRHELがシェアを狙う
分野別の展開として、まず「RHELコアビジネス」では、オンプレミスとパブリッククラウド、プライベートクラウドのそれぞれでパートナーと協力し、「3つのすべてでRHELがシェアを取る」と望月氏は抱負を語った。
RHEL分野の取り組みの例としては、Microsoftとの協業が紹介された。サーバーOSでは競合する両社だが、クラウドのMicrosoft AzureではCCSP(認定クラウド&サービスプロバイダープログラム)や相互サポート、ハイブリッドクラウドのシームレスな管理で協業するほか、.NET CoreのRHELでのサポートなどに取り組んでいる。「.NET Core専属サポートエンジニアも着任した」(プロダクト・ソリューション本部 ミドルウェアシニアビジネスデベロップメントマネージャー 岡下浩明氏)。
OpenStackが業務利用のフェーズに
「クラウドビジネス」の分野では、パブリッククラウド、プライベートクラウド、テレコムNFVエコシステムの3つの強化が語られた。パブリッククラウドでは、すべてのパブリッククラウドでRHELが動くことを目指し、そのためにエコシステムを強化する。プライベートクラウドでは、パブリッククラウドと同じアジリティをプライベートクラウドで実現するため、OpenStackエコシステムを強化するとともに、検証環境を本社に設ける。テレコムNFVエコシステムでは、ネットワーク機器ベンダーとの協業を強化する。
クラウドビジネス分野の事例としては、株式会社シーエー・モバイルがモバイルコンテンツ事業の本番環境にOpenStackを導入したことが紹介された。アクセス量変動に対応するためのもので、3カ月という短期間で本番稼働に至ったという。「レッドハットとしても、コンサルティングサービス部門による支援の事例となった。これを積み重ねるのが今年度のテーマ」(望月氏)。
「OpenStackは、去年の第3四半期までは検証の案件がほとんどだったが、第4四半期になってから業務にも使おうという案件が増えた」(執行役員 サービス事業統括本部 統括本部長 水橋久人氏)。
AnsibleやRed Hat Insightを訴求
ITマネジメントビジネスの分野では、IT管理の自動化として構成管理ツールの「Ansible」を訴求していくことや、予見型システム診断の「Red Hat Insight」の国内販売、ハイブリッドクラウド管理の「Red Hat CloudForms」などを挙げた。
なお、米Red HatはAnsible社を2015年10月に買収しており、ビジネスとしてはGUIベースの管理ツール「Ansible Tower」を販売している。「国内にすでにAnsibleを使っているユーザーは多くいるが、属人的。それをきちんと管理していくためには管理が重要であり、インフラの自動化の基盤を作っていく」(岡下氏)。
ITマネジメントビジネスの例としては、Red Hat Insightが紹介された。RHELのサーバーにインストールしたエージェントが定期的にシステム構成などの情報を自動的に収集し、Red Hatのナレッジベースと照合することで、重大な脆弱性や典型的な設定ミスなどを事前に発見するという。
日立の大規模アプリケーションフレームワークがOpenShift Enterpriseに対応
アプリケーションプラットフォームビジネスの分野では、JBossの成長を基盤に、コンテナやモバイルの市場を開拓するという。そのJBossでは、EAP(アプリケーションサーバー)のバージョンアップや、JBoss BRMS(ビジネスルール管理システム)のシェアを活かした差別化、サポート期間を最大13年に延長したこと、CCSPのクラウドパートナーでのJBoss協業などにより、「前年度比4割増を目指す」(望月氏)。
PaaSビジネスでは、エンタープライズでのコンテナ技術を推進する。RHEL上のコンテナアプリの認証制度や、コンテナエンジニアの育成を図る。
新規ビジネスとしては、クラウドサービスの「Red Hat Managed Service」として、PaaSサービスの「OpenShift Dedicated」(AWS東京リージョンでも提供)や、MBaaSサービスの「Red Hat Mobile」(3月から本格的に営業を展開)のプロモーションを強化する。
ソリューションビジネスとしては、デジタルマーケティングやIoTのリアルタイムビッグデータや、料金・電力・保険・生産管理などでのBRMSソリューションを展開する。
アプリケーションプラットフォームビジネス分野の事例としては、同じ4月20日に発表された、日立製作所が大規模アプリケーションフレームワーク「Justware」でPaaS基盤製品「OpenShift Enterprise」に対応した例が紹介された。
中部営業所を開設
こうした各分野に対する戦略として、サービスビジネス戦略、エンタープライズ戦略、パートナー戦略の3つも説明された。
サービスビジネスでは、評価や導入、運用などのサイクルを支援する。「SIerと競合するわけではなく、支援するイネーブルメントの位置づけ」(望月氏)。また、OpenStackやOpenShiftoといった新ソリューション分野のサポートを強化するともに、教育のグローバルラーニングサービスを拡大する。
エンタープライズ戦略では、業種別アプローチや、新プロダクトを加えたトータルソリューション提案、地域カバレッジ拡大、ビジネスエンゲージメントの強化をはかる。同じ4月20日には、名古屋に中部営業所を5月2日付で開設することを発表している。「本社、西日本支社、大阪営業所、九州・四国営業所とあわせ、これで日本のGDPの8割の地域をカバーする」(望月氏)。
パートナー戦略では、新パートナーとしてはクラウドやIoTのパートナーを拡大する。また、既存パートナーとしては、RHELだけでなく幅広いビジネス領域に拡大していく。同じ4月20日には、株式会社インテリジェントウェイブのクレジット決済システム「OnCore」で、RHELとJBoss EAPが採用されたことが発表された。「このシステムでは、以前はコミュニティベースのCentOSとGlassfishを使っていた。しかし、信頼性を求めてRHELとJBoss EAPを採用した」(望月氏)。
URL
- 中部営業所開設のプレスリリース
- https://www.redhat.com/ja/about/press-releases/rhjapan-chubu-office-opening
- インテリジェントウェイブのOnCoreでのRHEL・JBoss EAP採用のプレスリリース
- https://www.redhat.com/ja/about/press-releases/rhjapan-intelligent-wave-red-hat-embedded-technology-rhel-jboss-eap
- JustwareでのOpenShift採用のプレスリリース(日立製作所)
- http://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/topics/20160420-info.html
- シーエー・モバイルでのOpenStack事例のプレスリリース(4月11日)
- https://www.redhat.com/ja/about/press-releases/rhjapan-ca-mobile-increases-infrastructure-flexibility-red-hat-and-dell-openstack-cloud
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