2015年12月19日11時46分
大阪府知事、市長を8年経験した橋下徹氏の実績を有権者に採点してもらったところ、評価は分かれたが、政界引退を表明している橋下氏の今後については「復帰する」との見方が多数派だった。
大阪観光大学(大阪府熊取町)の4年生で、府南部の魅力発信ツアーなどを企画した日根野谷悠真さん(22)は80点を付けた。行政のムダの削減で成果を上げたと評価。「ほかの政治家にはないチャレンジ精神を感じさせられた」
大阪市住之江区の介護ヘルパー、林啓子さん(57)の採点は60点。敬老パス廃止などは仕方ないと思ったものの「橋下さんは若い世代には優しいが、高齢者にはシビアになっていくんじゃないか」。そう感じ「大阪都構想」には反対した。
労働者が集う大阪市西成区のあいりん地区で、居酒屋を営む新井信芳さん(53)は25点と厳しい。橋下氏が小中一貫校設立などの「西成特区構想」を打ち出し「子育て世代を呼び込もう」と訴えたのは、西成のためでなく「都構想実現のための手段だったのでは」という不信感がぬぐえない。野宿生活者ら立場の弱い人に対する施策は不十分だったと強く思っている。
大阪府吹田市で畳店を営む後藤孝雄さん(41)は50点を付けた。話題性や発信力は評価するが、功罪相半ばしたと考えている。地域経済振興を話し合う市の協議会のメンバーを務めたが、2011年に大阪維新の会の市長が誕生した後、「橋下流」の政治で市民との対立が増えたと感じた。橋下氏が引退するか復帰するか「分からない」が、「私としてはもう引退してほしい」。
■ピカイチにしたたか
《漫才師の西川のりお氏の話》 大阪都構想の住民投票で一瞬、市民を熱くさせ、大阪の話を全国レベルにした功績は大きい。区役所の職員の態度も変わった。何か分からんけど向こうが上という感じで、市民が気を使っていたが、解決されてきた気がする。教育委員会の目も覚まさせた。
ただ、都構想にしても地下鉄民営化にしても、問題提起に終わり、誰も解答していない。大阪維新の会の2人の首長が、これから答えを出さないといけない。
自分の報道は全部チェックして、テレビの出方も知っている人だ。数年来いろんな人間を見たが、ピカイチにしたたかな男。したたかさで言えば、安倍晋三首相より上だ。党をつくってはぶっ壊すやり方は全盛時の小沢一郎氏の再来。馬力も燃費もアップしている。
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