(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年4月19日付)
パプアニューギニア・ケレマの海岸沿いの風景(2014年9月5日撮影、資料写真)。(c)AFP/ARIS MESSINIS〔AFPBB News〕
南太平洋のパプアニューギニアが世界銀行に数億ドル単位の融資を求めている。原油価格の下落と関係した外貨危機と深刻な干ばつ、そして膨れ上がる財政赤字と戦うためだ。
3億ドルの融資を求める動きは、パプアニューギニアが昨年暮れに債券市場で10億ドル調達するのに失敗し、米エクソンモービルが運営するガスプラント(総工費190億ドル)の建設、稼働のおかげで最近まで地域で最も好調だった経済が減速した後に出てきた。
世界で最も文化的に多様だが最も探索されていない国の1つに数えられるパプアニューギニアは先週、主にコモディティー(商品)価格の下落が理由で2015年の政府の歳入が予想を21%下回ったと発表した。同国の困難は、弱含む原油価格と財政赤字拡大に襲われたほかの産油国経済のそれとよく似ている。
「国際金融公社(IFC)は、市場における米ドルの流動性のためにパプアニューギニアの民間セクターが厳しい課題に直面していることを確認した」。世界銀行の一部門で、新興国の民間セクターを支援するIFCのパプアニューギニア担当カントリーマネジャー代理、ギャビン・マリー氏はこう述べた。「我々は交渉が1カ月続くと見ている」
パプアニューギニアの商業銀行3行は、顧客が国際貿易を行うのを助けるために米ドルへのアクセスを与えてもらえるようIFCおよびパプアニューギニア銀行(中央銀行)と協議している。
地元の報道機関ビジネス・アドバンテージ・パプアニューギニアの最近の調査によると、パプアニューギニアの企業経営者にとって、ドル不足が最大の懸念要因だという。同社は最大12億キナ(3億7800万ドル)の外貨取引が中央銀行で決済を待っていると推定されるとしている。