子会社の買収を巡る東京国税局の追徴課税を不服として、ヤフーが国に約178億円の課税処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は29日、ヤフーの上告を棄却した。ヤフーの敗訴が確定した。
同小法廷は判決理由で、組織再編税制を利用した企業を国税が「租税回避」とした場合、課税処分が妥当かどうかは「(企業の税務処理の)手順や方法が不自然か、合理的な理由があるかなどを考慮して判断すべきだ」と初判断を示した。そのうえでヤフーの例を「明らかに不自然で税負担の減少を意図して税制を乱用した」と結論付けた。
判決によると、ヤフーは2009年、データセンター運営会社「ソフトバンクIDCソリューションズ」(IDCS)を親会社のソフトバンクから約450億円で取得。IDCSの欠損金約540億円を自社の利益と相殺して税務処理しようとしたが、税務当局が認めず追徴課税した。