シリアについては、昨日国連傘下のジュネーブ会議への反政府代表が、政府側の停戦合意違反に抗議して、出席を延期したとか凍結したとかの報道が流れていると、昨日お伝えしましたが、どうやら流れとしては延期から凍結さらには会議の失敗という方向に行く可能性が出てきている模様です。
これはal qods al arabi net等アラビア語メディアが報じるところで、それによると、反政府代表団が政府軍の停戦違反、人道支援物資の搬入妨害に対して、出席を「延期する」としたが、 18日政府軍のイドリブの野菜市場等に対する空爆で多数の死傷者が出たことに足して、ハジャーブ反政府交渉調整官(元首相)が、このような状況では出席は「凍結」せざるを得ず、会議の失敗の可能性も出てきているとして、ミストラ特使は安保理と協議すべきであると、表明した経緯があった模様です。
尤も反政府筋も、このまま欠席を続けるというよりは、包囲された町に対する人道援助の搬入が認められたㇼ、会議への誠意が認められれば、会議に復帰するとしている由。
http://www.alquds.co.uk/?p=518848
この政府軍機(またはロシア機)による攻撃は、イドリブのmaarat al noamanの野菜市場に対する空爆で少なくとも38名死亡、近くのkafr nabal で10名が死亡した(そのほかホムス近郊でも死者。al jazeera net は負傷者20名と報じている)事件で、米政府も、この空爆はシリア政府軍機によるものであろうとしている由。
al qods al arabi net は、この政府軍機による爆撃は、反政府派が、抗議への出席を延期するとしてこと及び、オバマとプーチンが電話会議をしたことに対する、シリア政府の回答であるとコメントしています。
この、イドリブ等への爆撃その他の現地情勢は、al jazeera net が「血なまぐさい一日はもろい停戦を崩壊させつつある」と題して報じていますので、関心の向きは下記ネットをご参照。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/4/19/40-قتيلا-في-مجزرتين-للنظام-بريف-إدلب
確かオバマ大統領は、本日サウディに向け出発し(サウディでのGCC首脳たちとの会談の予定)、サウディ国王とも個別に会談するとのことですが、おそらくはこのシリア問題に対する対応が最大の問題(もちろんその他イラン問題、サウディの在米資産問題、イエメン問題、リビア問題、イラク問題等も大きな議題になると思うが)だろうと思われ、米国がいかなる政策を表明するかが注目されますが、al arabiya net は国務省の責任者(氏名不明)が、米国としてはシリアでの停戦と交渉の継続を支持していると語ったと報じています。
おそらくこれは、大統領の外国訪問前にその国のメディアに対して米政府が行うブリーフィングからのものと思われるので、記事の要点のみ
「責任者によれば、米国としてはシリアでの停戦、全ての軍事行動の停止が、シリア国民のみならず、地域の全てのものにとって重要と考えており、停戦の崩壊は和平協議を失敗に導くとみていると語った。
それはIS及びヌスラ戦線を活発化させるだけであるとみている由。
このためオバマがプーチンと電話会談をしたが、双方の溝は大きく、責任者によれば、会談は厳しかった由。
ロシアの問題は、ロシアがすべての反政府軍をIS等と並ぶテロ集団と規定していることで、これに対して米政府は、停戦破り常習犯という点で、アサド政府とヌスラ戦線等を同列に置いている由。
また包囲下の住民に対する人道援助の阻害についてはシリア政府に責任があるとみている由
他方、プーチンが米政府に対しrて、トルコがシリアとの国境を閉鎖して、過激派要員武器等の輸送を禁止するように圧力をかけることを求めたことに表れているように、両者の溝は大きい由。
それにもかかわらず、米国としては今後ともロシアとは協力していく方針の由
米政府は、この点について、全ての関係者に対して厳格な停戦厳守を求める政策である由。
また反政府派がジュネーブに残り交渉に参加するように働きかけている由」。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/04/19/خاص-أميركا-تريد-المحافظة-على-المفاوضات-والهدنة-معاً.html
取り敢えずの取りまとめたところ、以上で、事柄の性質上、本当に何が起きていて、当事者が何を考えているかは良く解らないところが多いのですが、このような状況であれば、今回の協議の今後についても非観せざるを得ないような気がします。
またロシアと違って、レームダックになりつつあるオバマの持つ選択肢は多くないような気もします。もっとも、これは彼のシリア政策のもたらした結果だと思いますが・・・・
これはal qods al arabi net等アラビア語メディアが報じるところで、それによると、反政府代表団が政府軍の停戦違反、人道支援物資の搬入妨害に対して、出席を「延期する」としたが、 18日政府軍のイドリブの野菜市場等に対する空爆で多数の死傷者が出たことに足して、ハジャーブ反政府交渉調整官(元首相)が、このような状況では出席は「凍結」せざるを得ず、会議の失敗の可能性も出てきているとして、ミストラ特使は安保理と協議すべきであると、表明した経緯があった模様です。
尤も反政府筋も、このまま欠席を続けるというよりは、包囲された町に対する人道援助の搬入が認められたㇼ、会議への誠意が認められれば、会議に復帰するとしている由。
http://www.alquds.co.uk/?p=518848
この政府軍機(またはロシア機)による攻撃は、イドリブのmaarat al noamanの野菜市場に対する空爆で少なくとも38名死亡、近くのkafr nabal で10名が死亡した(そのほかホムス近郊でも死者。al jazeera net は負傷者20名と報じている)事件で、米政府も、この空爆はシリア政府軍機によるものであろうとしている由。
al qods al arabi net は、この政府軍機による爆撃は、反政府派が、抗議への出席を延期するとしてこと及び、オバマとプーチンが電話会議をしたことに対する、シリア政府の回答であるとコメントしています。
この、イドリブ等への爆撃その他の現地情勢は、al jazeera net が「血なまぐさい一日はもろい停戦を崩壊させつつある」と題して報じていますので、関心の向きは下記ネットをご参照。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/4/19/40-قتيلا-في-مجزرتين-للنظام-بريف-إدلب
確かオバマ大統領は、本日サウディに向け出発し(サウディでのGCC首脳たちとの会談の予定)、サウディ国王とも個別に会談するとのことですが、おそらくはこのシリア問題に対する対応が最大の問題(もちろんその他イラン問題、サウディの在米資産問題、イエメン問題、リビア問題、イラク問題等も大きな議題になると思うが)だろうと思われ、米国がいかなる政策を表明するかが注目されますが、al arabiya net は国務省の責任者(氏名不明)が、米国としてはシリアでの停戦と交渉の継続を支持していると語ったと報じています。
おそらくこれは、大統領の外国訪問前にその国のメディアに対して米政府が行うブリーフィングからのものと思われるので、記事の要点のみ
「責任者によれば、米国としてはシリアでの停戦、全ての軍事行動の停止が、シリア国民のみならず、地域の全てのものにとって重要と考えており、停戦の崩壊は和平協議を失敗に導くとみていると語った。
それはIS及びヌスラ戦線を活発化させるだけであるとみている由。
このためオバマがプーチンと電話会談をしたが、双方の溝は大きく、責任者によれば、会談は厳しかった由。
ロシアの問題は、ロシアがすべての反政府軍をIS等と並ぶテロ集団と規定していることで、これに対して米政府は、停戦破り常習犯という点で、アサド政府とヌスラ戦線等を同列に置いている由。
また包囲下の住民に対する人道援助の阻害についてはシリア政府に責任があるとみている由
他方、プーチンが米政府に対しrて、トルコがシリアとの国境を閉鎖して、過激派要員武器等の輸送を禁止するように圧力をかけることを求めたことに表れているように、両者の溝は大きい由。
それにもかかわらず、米国としては今後ともロシアとは協力していく方針の由
米政府は、この点について、全ての関係者に対して厳格な停戦厳守を求める政策である由。
また反政府派がジュネーブに残り交渉に参加するように働きかけている由」。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/04/19/خاص-أميركا-تريد-المحافظة-على-المفاوضات-والهدنة-معاً.html
取り敢えずの取りまとめたところ、以上で、事柄の性質上、本当に何が起きていて、当事者が何を考えているかは良く解らないところが多いのですが、このような状況であれば、今回の協議の今後についても非観せざるを得ないような気がします。
またロシアと違って、レームダックになりつつあるオバマの持つ選択肢は多くないような気もします。もっとも、これは彼のシリア政策のもたらした結果だと思いますが・・・・
今回の停戦違反は明確に反政府側の起こしたものですから、正当性のあるシリア(もっと言えばロシアに)に強く出れないでしょうね。「