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<民進>川内停止要求せず 旧民主側が慎重姿勢

毎日新聞 4月20日(水)21時15分配信

 民進党は20日に行った熊本地震に関する政府への申し入れに、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の運転停止の要求を盛り込むことを見送った。旧維新の党出身の江田憲司代表代行が意欲を示していたが、旧民主党側が慎重姿勢を示したためで、原発を巡り党内に不満を抱える結果となった。

 岡田克也代表が首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、激甚災害の早期指定など7項目を申し入れた。川内原発には「安全性を不安視し、一時停止を求める声もある」と触れたが、十分な情報提供を求めるにとどめた。岡田氏は記者団に「政府が説明責任を果たすことが先決だ」と述べた。

 同党内では、熊本、宮崎、佐賀などの県連から不安の声があがり、江田氏は18日の記者会見で運転停止要求の検討を表明。しかし、党幹部によると、岡田氏が「科学的根拠がない」と否定的で見送られたという。共産党は16日に運転停止を政府に申し入れ、生活の党の小沢一郎共同代表も19日の会見で「止めるよう申し入れたい」と表明しており、旧維新側から「歯切れが悪い」と不満が漏れる。

 旧民主には電力総連などの支援を受ける議員もおり、踏み込んだ対応を打ち出しにくい。民進党の綱領では、旧維新が主張した「2030年代の原発稼働ゼロ」が盛り込まれたが、「原発に頼らない社会」などのあいまいな表現に変更された。

 山尾志桜里政調会長は20日の会見で、申し入れ内容について「これが現時点での党内の一致した見解だ。歯切れのいい発信は大切だが、それ以上に組織として一致した意見を発信することが大事だ」と、意見集約の難しい党内事情を認めざるを得なかった。【朝日弘行】

最終更新:4月20日(水)22時25分

毎日新聞

江田憲司

江田憲司(えだけんじ)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 神奈川県8区 民進党
プロフィール:
1956年4月28日生 初当選/2002年 当選回数/5回