プロボクシングのWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者内山高志(36=ワタナベ)が、ボクシング史に名前を刻む。今月27日の同級暫定王者コラレスとの12度目の防衛戦に向け19日、都内の所属ジムで練習を公開。連続防衛記録を12に伸ばせば、80年代に活躍したブライアン・ミッチェル(南アフリカ)の持つ同階級の世界記録に並ぶ。充実の調整に、4戦連続のKO勝利にも意欲を見せた。
絶対王者の風格だ。ゴングまで10日を切っても、内山の表情に切迫感は一切なかった。練習前に行われた会見では「コンディションは最高。誰が見ても隙がないと思われる、まったく寄せ付けない試合をしたい」。短い言葉に手応えの大きさが表れた。
ベルトを守れば、新たな勲章も加わる。スーパーフェザー級での連続12度防衛は、09年に世界ボクシング殿堂入りを果たしたミッチェルの最多記録に25年ぶりに並ぶことになる。他の階級を見ても、無敗のまま引退したミニマム級のリカルド・ロペス、「死刑執行人」の異名を持つミドル級のバーナード・ホプキンスら豪華なメンバーが名を連ねるとあり、実力だけでなく、記録面でも「世界の内山」をアピールできる。
王座在位期間(6年3カ月)、最年長防衛記録(36歳1カ月)、世界戦KO率(83%)と、これまで国内の記録を次々と塗り替えてきた王者も「すごく光栄なこと。積み重ねてきたことだし、そうなれば素直にうれしい」と思いを語った。
V11戦後にうわさされた海外でのビッグマッチは、合意寸前で流れた。一時は「モチベーションが下がった部分はある」と語った内山だったが、試合が近づき、気持ちはコラレス攻略に切り替えた。挑戦者と同じ左構えの選手とのスパーリングでは、ジャブで崩し、重いパンチを上下に打ち分ける充実の動きを披露した。
コンビを組む佐々木トレーナーが「良すぎるぐらい」と語るように、仕上がりは万全。体重もリミットまでも残り1キロに迫り、約1時間の練習を終えると、全身から大量の汗が噴き出した。「この試合の勝ち方で評価が分かれる。もちろんチャンスがあれば倒しに行く」。内山は、迷いなく勝利を目指す。【奥山将志】