記憶に残る最暴愚のボクシング人生
2016年4月20日
パフォーマンスに必死になる一方で練習は誰より真剣だった。14年11月、世界王座挑戦経験もある戎岡淳一(明石)を判定で下し、25歳にしてランカー入り。コツコツと積み上げ、ランクも上昇。日本タイトル挑戦は視界に入ってきていた。
昨年、「普通のことをやっていたらダメだ」とリングにすべてをかけるため、仕事を一切辞めた。食べるために魚を釣って、自給自足する生活も行った。
「ベストファイト」がラストマッチになった。昨年8月、世界戦経験もある帝里(ている)木下(千里馬神戸)に挑んだ。顔の3倍はある、元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏ばりの巨大アフロヘアで一世一大の勝負。カンムリワシを揺らし接近戦でパンチを見舞い続けた。格上を追い詰めたが、あと一歩及ばず、判定1-2の惜敗。世界ランカー入りの夢が散った。
体は無敵のサイボーグではなかった。試合前から左足かかとは限界に達していた。練習から痛み止めを服用。薬の切れた試合後は痛みのあまり、歩くこともできなかった。
病院で診察を受けると、骨が細かく割れて靱帯に接触。「手術しても治らない」と非情通告された。「体はズタボロ、でも心は燃え尽きていない」と、無念の思いを残し、グローブを吊(つる)した。
アフロヘアのまま、ハローワークに行くと、受付で出直しを命じられた。髪も短く切り、就職活動を行い、今はプログラマーの仕事を始めた。
17日、六島ジムの興行には同僚の応援に訪れた。「毎日コツコツ練習してきたのは生きるかな。プログラマーは最新の技術を常に勉強するものだから。親孝行もこれからしていきたい」と、平穏な表情を浮かべた。
一方で「何も感じないと思っていたけど、気持ちが高ぶって、やばかった。できないから辞めたけど心はやり尽くしてない」と、悔しさはやはりこみ上げた。同僚らには「個性を出してほしい」と、思いを託した。
スポットライトを浴びるのは一握り。輝くスターの陰で無数のボクサーの物語がある。タイトルもなく、戦績9勝(4KO)3敗2分け。「ほんの、かすり傷くらいは刻んだかな」。平凡でも必死に注目されようと戦い抜いた最暴愚。立派なプロだった。(デイリースポーツ・荒木 司)
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