March
23
2016
北陸新幹線の敦賀以西ルートの選定が頻繁にニュースになるようなった。米原ルートはJR側が技術的に難色を示し、現在有力視されているのは、小浜―大阪ルート、小浜―京都ルート、湖西-京都ルート、舞鶴―京都ルートだ。京都市でも今年度から予算を割いて誘致に向けた取り組みをするという。しかし、そもそも本当に北陸新幹線は必要なのだろうか。というのも、実は北陸新幹線は莫大な地元負担が伴う。仮に京都駅ルートを通る場合、地下50メートルの大深度駅になる見込みで、地元負担は1000億とも2000億とも言われる。2000億だとすれば、市民一人当たりの負担は10万円を軽く超える。ちなみに、ピンと来ないと思うので、財政悪化の根源といわれてきた地下鉄建設を例に出すと、北山―国際会館路線で約700億、醍醐―六地蔵で550億だ。まさに地下鉄建設に次ぐ莫大な財政負担が伴う。本当にそれだけの価値に見合う事業なのか、よく考えねばならない。がしかし、未だに京都市は地元負担の積算も全く出来ていないにも関わらず「誘致大賛成」と声高に唱えるあたりのコスト意識の希薄さは呆れる。リニアはともかく、北陸新幹線は既に不採算路線との見方も強く、人口が減り続ける北陸地方への新路線に莫大な投資をすることが本当に魅力的ものなのか、ムードに迷わされず、立ち止まって考えるべきだと私は思う。