安倍総理の総裁任期は—「3選禁止」という自民党の内部規定そのものを変えない限りは—あと2年半。「憲法改正」というあまりに高いハードルを越えるためには、もはや悠長なことは言っていられない。その上、アベノミクスが後退局面に入った今、解散の決断を遅らせれば遅らせるほど、自民党には不利になる。安倍総理に残された時間は長くないのだ。
衆参ダブル選の「Xデー」と目される7月10日に向け、永田町はすでに臨戦態勢に入った。
「選挙の準備は進めています。ポスターもビラも作り直しました。先輩議員と会うたびに、『キミたち、選挙対策は大丈夫?』と言われてますからね」(自民党若手衆院議員)
盤石の強さを誇る小泉進次郎衆院議員も、この春に選挙ポスターを新調した。
4月補選で自民が負ければ
また、自民党きっての実力者・二階俊博総務会長をはじめ、「衆参同日選、総理はやる気だ」とほうぼうで吹聴する議員も現れている。総理といえども、周囲の思惑にがんじがらめになって、いつの間にか解散という宝刀を「抜かされる」こともあるのが、一筋縄ではいかない政局というものだ。
安倍総理の最終判断は、衆参ダブル選の「前哨戦」、北海道5区の補選にかかっている。現在、4月24日の投開票に向けて追い込みがかけられているところだが、ある自民党議員は「余裕だと思っていたけれど、けっこう厳しい」と漏らす。
「候補者は町村(信孝前衆院議長)さんの娘婿ですが、苗字が『和田』だから、町村さんの支持者からイマイチ親近感を持たれていない。
それに、細田派(旧町村派)の議員には『必ず1回は応援に入れ』と指示があったんですが、全然統制がとれていないんです。同じ地元企業に5回も6回も議員が行くもんだから、『どうなってるんだ』と選対にクレームが入ってきている」
たったひとつの失敗が、盤石の政権に小さな穴をあける。そこから吹き込んだ微風は、やがて嵐となって全国を呑みこみ、景色を一変させる—。
人生最大の賭けに出ようとしている、安倍総理の眠れぬ夜は、まだ当分続くだろう。
「週刊現代」2016年4月23号より
-
「闇カジノ」店長が明かした! 桃田&田児「ギャンブル中毒者」の姿(2016.04.18)
-
「熊本地震は南海トラフ地震の前兆かもしれない」専門家が警告 (2016.04.16)
-
衆参ダブル選「7・17」 安倍自民党は思わぬ敗北を喫するかもしれない…(2016.04.05)
-
安倍政権の先行きに暗雲!? 韓国総選挙で与党大敗、東アジアで激化する「左派の逆襲」(2016.04.18)
-
札束の布団を敷く男、セックスに30億円使った男……大金持ちの「信じられないカネの使い方」(2016.04.08)
- 衆参W選挙 全選挙区の当落「衝撃データ」を公開する!自民大敗65議席減(225議席)民進74議席増(169議席) (2016.04.19)
- なぜエリートほど大きな間違いを犯すのか?「国会事故調」元トップが明かす「ニッポンの病理」(2016.04.16)
- 日銀が作った『5分で読めるマイナス金利』にメガバンク行員がブチ切れた!(2016.04.13)
- 消費税10%に上げるべきか、上げざるべきか〜元大蔵事務次官からメガバンク頭取、上場企業社長まで「私はこう考える」(2016.04.11)
- 鴻海、買収契約にようやく調印! シャープの次なる課題は「V字回復」だ(2016.04.06)
- 地下指令室にこもる弱虫・金正恩 ~100人のボディガードと毎夜の「喜び組」 (2016.04.06)