Jリーグの原博実副理事長は19日、熊本地震の状況把握のため熊本入りした。原氏は大阪府内で同日開かれたJリーグ実行委員会にもインターネット中継を介して参加。ロアッソ熊本の今後のリーグ戦に向けて、練習拠点を一時的に九州外に移し参戦を続ける方法など、リーグ側が複数の提案をしたことを明らかにした。
ロアッソ熊本の今後のリーグ戦出場に向けた方策について説明するJリーグの原博実副理事長=熊本市中央区のアスリートクラブ熊本
熊本の本拠地うまかな・よかなスタジアムは、救援物資の集積拠点や警察官らの宿泊所となっており、当分の間は使用できない見込み。被災して避難所で生活をしている選手や県外に避難している選手もおり、練習再開のめどは立っていない。
同スタジアムや練習場を視察した原氏は「余震が続いており、スタジアムが救援拠点となっている現状ではホームでの試合開催はできない。選手の気持ちの面でも『すぐに試合を』というのは難しいだろう」と理解を示した。
一方で「九州のクラブの被害状況を調べているが、影響が出ているチームは熊本だけの状態で、東日本大震災の時のように全試合を止めるのは困難」と指摘。「熊本の試合だけを中止し続ければ、熊本だけが後々、日程がきつくなる。昇格と降格があるリーグで、それがいいのかという問題もある」と話した。
その上で「準本拠地のような形で九州外などに一時的に拠点を設け、前半戦をアウェー中心の日程に組み替える案や、ホームの試合を県外で行う案など複数の提案をした。どこかの段階で決断しないといけない。練習ができる環境はリーグが担保したい」と説明した。
熊本の池谷友良社長は大阪に出向き、実行委でクラブの現状を説明した。リーグの提案は、持ち帰って検討するという。(野方信助)
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