最近、生後3か月の後半になってから、我が子がごくまれに「あははははっ」とか「きゃっきゃっきゃっ」と声をあげて笑うようになりました。
これまで4か月ほど息子の笑いの発達過程を見てきましたが、
生後0~2か月の眠りに入るときにニヤッと笑う「新生児微笑」
生後3か月以降に声を出して笑う「社会的微笑」
と、順に笑いが変化してきました。
つい先日までは、声を出しても「あはーーーーーー」ぐらいの一息で息を吐き切り顔は笑顔、と言う感じの笑いがほとんどだったのですが、ここ数日の「あははははっ」と言う笑いは、明らかに大人の笑いに近づいているように思います。
この「あはーーーー」という笑いと、「あはははははっ」という笑いの違いは何なのか気になったので、学生時代の「小児発達学」と「小児言語学」の教科書を引っ張り出して調べてみました。
赤ちゃんが声を出して笑うのはいつ!?笑い声の発達過程を知ろう
赤ちゃんが大人のように声をあげて「あはははっ」と笑うようになるのはいつ頃なのでしょうか。
先日「クーイング」について記事を書いたのですが、赤ちゃんが声を発することが出来るようになるのは生後2,3か月ごろに骨格が成長し変化することで、咽頭に空間ができてからです。
「ははははっ」という笑い声は、この”咽頭”が十分に拡張して初めて出るのだそうです。
<画像再掲>
この咽頭が十分に拡張するとされている時期が「生後4か月」頃。
そして、この笑い声の発達と一緒に、言語的発声も質的に変化していくため、発声の発達にとっても笑い声と言うのはとても重要な役割を果たしているようです。
赤ちゃんが「ははははっ」と笑うために必要な技術とは?
赤ちゃんが、「あはーーーーーー」と一息で声を出し切るような笑い方から、「あははははっ」というような笑い声になるには、
「呼気の反復」が必要になります。
肺にためた空気を、一気に出すのではなく、息を吐いては喉を閉めて、小刻みに開けたり閉めたりして「断続的に呼気を吐き出す」という事ができるようになると、笑い声も「あははははっ」と言うようなものになります。
そして、この「呼気の反復」の技術は、一息で複数の音声を出せるようになるという点において、発話においてもとても重要なのです。この「呼気の反復」が、話し言葉に「分節性」を持たせてくれるようになり、より言葉っぽくなってきます。
呼気の反復ができるようになるまで
それでは、この「呼気の反復」はどのようにしてできるようになってくるのでしょうか?
こういった一つ一つの現象についてしっかりと研究されている方がいらっしゃるんですね。この呼気の反復と言うリズミカルな動きについて、手足のバタバタした動きに着目した方が居たそうです。
最初は「足でバタバタと蹴る運動」が始まり、その約1か月後くらいに「声を出す笑い」ができるようになる。すると、両者の動きが同期して同時に出現するという事が増えてくるそうです。
笑いながら足をバタバタさせるんですね。
最初は、足蹴りの動作の方が多く出るけど、笑いも同じような頻度になっていく。
このようにして、最初は足のバタバタ運動でリズミカルな動きを覚え、次第に呼気の反復運動に赤ちゃんは応用させていくのだそうです。
その後、生後5~6か月で足の動きが減ってくると、今度は手の動きとシンクロするようになります。おもちゃを掴んで「ブンブン」と振り回す動きです。
この動きをもって、さらに笑い声は発達をしていき、より細かいリズムでの呼気の反復が可能になるとのことです。
それが生後7か月頃とされ、続いて「喃語」が増えてくる時期となります。
まとめ
我が子はまだ生後4か月なので、手の動きと笑い声のシンクロ現象については確認できてはいませんが、しきりに笑いながら足をバタバタさせているのを見ます。
最初は、単に運動しているのかなと思って見ていたのですが、この動きには呼気を反復させて出すためのリズムの練習という言語発達的な側面もあると知り、笑い方の変化を見るのも楽しみになってきました。
生後7か月ごろに喃語を獲得するまでに、子供はこんなにも色々な面で成長をし、大人が気付かないところで練習をして、笑い声などを獲得するんだなと思うと感慨深いものがあります。
「あははははっ」という断続的な呼気による笑い声も、今後の言葉の発達にも影響があるんだなと思うと、もっともっとあやして笑わせてあげようかなとも思います。
大学時代、苦手だった「小児発達学」や「小児言語学」の講義、もっとちゃんとやっておけばよかったなと親になった今強く思います。
そして、その学問の重要性を今、我が身をもって感じております。
今回は赤ちゃんの「笑い」について書きましたが、また子供の言語発達について書いていこうと思っていますので、是非ご覧ください。
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