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【熊本地震】
阿蘇カルデラ内で断層確認 M7・3地震「布田川断層帯」50センチずれ
熊本県で16日に起きたマグニチュード(M)7・3の地震を起こした「布田川断層帯」が地表に出現したとみられるずれが、阿蘇山のカルデラ内にあるのを、現地調査をしている中田高・広島大名誉教授(変動地形学)らが19日、発見した。この断層帯が、カルデラの中にまで延びているのが確認されたのは初めて。
共に調査している鈴木康弘・名古屋大教授(変動地形学)によると、断層を確認したのは、大規模な土砂崩れや住宅の倒壊が相次いだ熊本県南阿蘇村の農地。益城町で見つかった断層と同じく、断層を挟んだ反対側が右方向にずれる横ずれ断層で、水平方向に少なくとも50センチのずれが確認された。
断層が直下に延びていたため南阿蘇村では揺れが強くなり、被害が大きくなった可能性が高いという。断層は、さらに阿蘇山に近い北東方向に延びている可能性もある。気象庁は地震後、阿蘇山の火山活動に変化は見られないとしている。