ＴＰＰ法案成立、見送り決定…地震への対応影響

　政府・与党は１９日、環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）の承認案と関連法案について、今国会での成立を見送る方針を決めた。

　すでに見送る方向で調整していたが、民進党の審議拒否や熊本地震への対応で審議時間が十分取れず、月内の衆院通過が難しくなったためだ。今国会は延長せず、秋の臨時国会で成立を目指す。

　自民党の谷垣幹事長は１９日、党本部で萩生田光一官房副長官と協議。その後、佐藤勉国会対策委員長と吉田博美参院国対委員長を呼び、見送りの方針を伝えた。

　これを受け、佐藤氏は民進党の安住淳国対委員長と国会内で会談し、衆院ＴＰＰ特別委員会は週内の定例日に一般質疑を行うにとどめ、安倍首相出席の集中審議は見送ることを伝えた。安住氏もこれを受け入れ、週明けにも与野党幹事長会談を開き、ＴＰＰ法案の取り扱いを正式に決めることで合意した。法案の参院送付後、成立させられずに国会が閉会すれば廃案となるため、政府・与党は衆院で継続審議にする方向だ。