2016年04月19日
4月19日/19:00/吹田SG大阪 1-2... 続きを読む
サンフレッチェが提案する「ヒロシマ・ピース・メモリアル・スタジアム」のイメージ図。 (C)SANFRECCE HIROSHIMA
たとえば、広島みなと公園を中心とするエリアに巨大な開発プランが存在し、広島のベイエリアを画期的なエンタテインメント空間として構築したいという思いがあって、その中核にサッカースタジアムをプランしているというのであれば、話は多少違ってくる。
開発経費は1000億でも足りないくらいだろうが、それほどのコストをかけても開発することが広島のためになるんだ。そんな強い信念と夢を感じさせられるのなら、議論の発展性も望める。
あるいは、このエリアをサッカータウンとしてプランし、サンフレッチェだけでなく、女子・高校生・少年・フットサル、様々な人々がサッカーを楽しむ場所を作りたいという話になれば、また違ってくるだろう。ただ残念なことに、現時点では、そういう話は聞いたことがない。
考えれば考えるほど、旧市民球場跡地については、ひとつの結論が見えてくる。「なにもつくりたくない」。それが答えなのではないか。
かつて旧市民球場跡地の利用策について行政が議論した時、市民からたくさんの案がプレゼンされたが、どれも「国際的レベルでみて優れた案はなかった」とされている。
特に数多く提案されたサッカースタジアムについては、「市民ニーズの比較的高い提案だが、大規模施設(サッカースタジアム)により平和記念公園と中央公園とが分断される提案であり望ましくない」とされて全否定されていた。
他の案についても評価されることなく、結果的に「緑地公園がふさわしい」という結論が下された。そこを松井広島市長が、「サッカースタジアム検討協議会の議論を待って」という事実上の「凍結」を行なっているのが現状なのだ。
このあたりの議論の推移を見ても、行政としてはここに「なにもつくりたくない」のではないか。平和公園と連動した「祈りの場」としたいのではないかという意図が透けて見える。それならば、「150万人の集客」という前提が、いつの間にかなくなっていることも理解できる。