2016年04月19日
4月19日/19:00/吹田SG大阪 1-2... 続きを読む
サンフレッチェが提案する「ヒロシマ・ピース・メモリアル・スタジアム」のイメージ図。 (C)SANFRECCE HIROSHIMA
昨年のチャンピオンシップには3万6606人のサポーターが集まり、テレビ視聴率は35.1パーセント(広島地区)。サンフレッチェ広島は間違いなく市民・県民の励みになり、重要な財産として認識されている。
一方で稼働日数が少ないからこそ、サンフレッチェ以外のイベントを積極的に開催していく余地や可能性が存在する。
少なくとも、旧市民球場跡地で積極的に展開されているグルメ系のイベントであれば、スタジアムの諸施設を利用した方が遙かに効率はいい。
主たる使用者はサンフレッチェ広島ではあるが、クラブだけのスタジアムではなく、広く市民・県民に開かれることになる。その利用する市民・県民の利便性を考えても、よりアクセスの良い場所に建設したほうがいいに決まっているのだ。決して、私企業のわがままではない。
「そもそも、サッカースタジアムが街中に必要なのか」
サッカースタジアムを求める40万筆の署名は、やはり重い。少なくとも「サッカースタジアムが必要だ」という民意は、ここに存在する。
また、都市間競争が激しくなり、減少トレンドにある若者人口を少しでも獲得するためには、街に特別な「なにか」が必要になる。広島にはカープがあるが、他の100万地方都市が軒並み「野球」と「サッカー」を両立させている状況を見ても、どちらかがあればいい、ということにはならない。
さらに、両方のスタジアムが「街中」に存在する例は、大阪市(京セラドーム大阪とキンチョウスタジアム)しかないのだ。名古屋の瑞穂競技場はサッカースタジアムではないし、街中ともいいがたい。福岡と仙台は街中からは少し外れている。神戸にはサッカー(ノエビアスタジアム)しかない。
他の大都市より一歩、先んじる意味でも野球とサッカーが共に街中にあり、「昼間はサッカー、夜は野球を見る」というスタイルを実現できれば(旧市民球場跡地からマツダスタジアムまでは市内電車で10分)、広島独自の新しい魅力につながる。
「カープが追い出された場所にサンフレッチェが入ってくるなんて」という言葉も耳にしたことはあるが、そういう感情的な側面を抜きにして考えれば、「旧市民球場跡地にサッカースタジアムを造ってはいけない」という論理的な理由はない。
また、「賑わいを創出する」というテーマで考えても、サッカースタジアム以上の存在は今のところ見いだせてはいない。
だから、わからないのである。
どうして、旧市民球場跡地ではダメなのか。
どうして、広島みなと公園が「優位」なのか。