指物師、半世紀の集大成 京都高島屋で初の個展
指物師岩木秀斎(しゅうさい)さん(73)=京都市左京区=が、50年におよぶ創作の歩みの集大成として、京都市下京区の京都高島屋で20日から、初めての個展を開く。簡素な意匠の中に現代の美を追求し続けた約50点を展示する。
岩木さんは、大正天皇の高御座(たかみくら)も手がけた指物師岩木裕軒のひ孫で、大学卒業後、父親に師事した。作品づくりでは、ほかの茶道具との調和を考えながら、シンプルなデザインを基調としつつ、木目や漆塗りで表現できる現代的な美しさを追求してきた。
個展では、松の絵をあしらった炉縁(ろぶち)や、水指を引き立たせる素朴な棚などを展示。水車の古材を使った釣瓶(つるべ)水指は、長い年月をかけて浮き出た木目が独特の風合いを醸し出している。
約15年前から長男秀樹さん(41)と仕事に取り組んでおり、「50年かけても極められない難しさが、指物の魅力でもある。作品をいろいろな人に見てもらい、意見をいただけたらありがたい」と話す。26日まで。無料。
【 2016年04月20日 06時20分 】