「経験したことのない、きわめて異常な状況。非常に危機感を感じている」
肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)とされる患者が17、18日の2日間で10人搬送された済生会熊本病院の中尾浩一副院長は話す。うち8人が女性だった。
エコノミークラス症候群予防のため、避難した人に施術する柔道整復師の男性
この病気が注目されたのは2004年の新潟県中越地震がきっかけだ。車中泊避難者が最大で約10万人いたと推測され、2週間以内に発症したのは少なくとも11人。いずれも女性で、そのうち6人が亡くなった。今回の地震では19日までに18人が報告されている。中越地震も調査した榛沢(はんざわ)和彦・新潟大講師(心臓血管外科)は「非常に速いペース。車中泊や避難所生活を続ければ、運動する機会が減って血流が悪くなり、リスクは増える」と話す。
なぜ多発しているのか。熊本市民病院の橋本洋一郎・首席診療部長は余震の多さを指摘する。気象庁によると体に感じる震度1以上の地震は19日までに600回を超え、この日夕方にも最大震度5強の余震が起きた。「これだけ多いと家の中にいたくない。2回目に大きな地震があったことで疑心暗鬼になっている」
水道などのライフラインの復旧も遅れている。災害医療で派遣され、熊本市内で診察をした南多摩病院(東京都八王子市)の朽方(くつかた)規喜(のりよし)医師は「トイレの回数が増えないように水を飲むことを控えるようになってしまう」とみる。こまめに水分を取らないと血液が濃くなり血栓ができやすくなる。日本大学板橋病院の前田英明・血管外科部長は「女性が搬送されるケースが多いのはトイレを我慢しているためだと考えられる」と話す。
女性は「近くにトイレがない」「トイレが混んでいる」といった状況だと水分をとるのを抑えてしまう。国立健康・栄養研究所の宮地元彦健康増進研究部長は「携帯型や簡易型のトイレを被災地に届け、早急に整えることが肝心だ」とトイレの整備の重要性を指摘する。
熊本市の担当者は「エコノミークラス症候群はずっと気になっていたが、避難所が多く対応に手が回らなかった」。本格的に地元の保健師らが被災地を巡回し、予防するためのチラシ配布を始めたばかりだ。
新潟大の榛沢さんらは、19日、益城町の小学校の運動場や校舎で避難者を対象にエコノミークラス症候群の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を実施。その結果、26人を調べたうち、4人に血栓やそれにつながる血のよどみがあった。いずれも受診をすすめるほどではなかったという。全員に血栓の発生を予防する弾性ストッキングを配布した。
朝日新聞社
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