■「韓国には海外に出せる伝統酒ない」
日本酒や日本産ビールの人気を後押ししているのが、空前の居酒屋人気だ。
さまざま種類と味のつまみが少しずつ味わえる点が若い女性らに受け、「イジャカヤ」と呼ばれる日本様式の店舗が韓国の繁華街に乱立している状況だ。
「ホプ」といった韓国スタイルのビアホールでは、スルメイカにピーナツといった定番のつまみしか出ないケースが少なくなかった。
日本産の酒人気とくっきり明暗が別れたのが、韓国産の焼酎やマッコリの日本への輸出だ。一時、日本でブームを呼んだマッコリの凋落(ちょうらく)ぶりは際だっており、韓国メディアによると、14年の日本への輸出額は、11年の5分の1以下に激減している。
中央日報は、日本酒が海外で受け入れられ、グローバル化に成功した理由の一つとして、「日本の酒は、日本料理とともに世界市場に進出し、シナジー効果を得ている」という日本の老舗酒造会社社長の意見を紹介している。
韓国政府が「韓国料理のグローバル化」を掲げながら、韓国料理店の海外進出が振るわない原因については、「韓国料理を普及させようとしただけで、韓国の食文化を外国人に伝えることができなかった」との専門家の分析を伝えた。
韓国産の酒については「食文化には酒が欠かせないが、韓国には海外に出せるほどの伝統酒もない」と一刀両断に切り捨てた。
確かに韓国では、マッコリなどの「地酒」を洋酒などより低く見る風潮が長く続いてきた。最近、地方の伝統酒を再生させようとする取り組みもみられるが、100もの蔵元の酒を海外でずらり紹介できる隣国との歴史的な差は否みようがない。