楳図かずお「わたしは真悟」のミュージカル化が決定した。12月から2017年1月にかけて、全国5カ所での公演が予定されている。
「わたしは真悟」は1980年代に週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて発表されたSF作品。大人たちによって引き裂かれようとした少年少女の一途な愛と、意識を持つことになった産業用ロボットの運命を描く。ホラーマンガで知られる楳図が、「神とは何か」「意識とは何か」といった形而上学的テーマに挑んだ意欲作だ。
ミュージカルでは少女・真鈴(マリン)役を高畑充希が、少年・悟(サトル)役を門脇麦が演じる。脚本は劇団DULL-COLORED POP主宰の谷賢一、演出・振付はフィリップ・ドゥクフレ、音楽はトクマルシューゴと阿部海太郎が担当。また演出協力としてKAATの芸術監督・白井晃が参加する。
楳図かずおコメント
ボクも絶対、見にいくぞ!! グワシ!!
高畑充希の“真鈴”はどうか?
門脇麦の“悟”はどうか?
2人はありえない子供の世界を演じなくてはなりません!!
さあ大変だ!!
でもやってのけるのは間違いありません!!
だって2人ともやわでない面構えですもん。
高畑充希さんはテレビ(東京センチメンタル)で一瞬のシーンですがご一緒しましたね。
その時思いました。「女優だ!!」
門脇さんもお会いするのが楽しみですね。
そして何と言っても“真悟”。
どのように舞台で表現するのでしょうか。
演出家のフィリップ・ドゥクフレさん、きれいでドキドキする舞台をお願いします。
最後にもう一度。「グワシ!!」
高畑充希コメント
楳図かずおさんの漫画は、絵を目にしたりポーズを真似することはあったのですが、本作の出演が決まるまでしっかり読んだことはありませんでした。
「わたしは真悟」を読んでいる間中、ずっと不気味で、ずっとピュアで、ずっと後頭部を大きな手で掴まれ続けているような感じがしました。、、うまく表現出来ないんですけれど。、
このミュージカルに出演することが決まってから、どんなものになるか全く想像出来なくて、出来上がりが全く想像できないものに参加できることに、ワクワクが止まりません。
演出のドゥクフレさんやスタッフさん、麦ちゃんはじめとしたキャストさんと共に、その時起こることに沢山センサーを張りながら、“真鈴”という役を大好きになって、演じたいです!
共演する門脇麦ちゃんはとっても好きな女優さん。共通の知り合いも多いので以前から知っているような気もするし、でも、お会いしたことはなくて。やっと逢うべき時が来た!と嬉しくなっています。“悟”と“真鈴”みたいに。
門脇麦コメント
ずっとミュージカルに挑戦してみたいと思っていましたので、出演が決まった時は純粋に「ミュージカル万歳!」という気持ちでした。「わたしは真悟」を読みまず「何だこれは!?」と衝撃を受けました。
私の役は、小学生の男の子。年齢、性別、越えなくてはいけないことが多いですが、少年の無垢さや粗野な部分などきちんと示し、作品の起爆剤になれたら。歌は初心者ですが、まっさらな気持ちで向き合い、新しい境地に行くことができるよう頑張ります!
共演の高畑充希さんのことは、実は充希さんがデビューして間もない頃から一方的に知っていました。「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ」という映画の主題歌を歌っているのを聴き、「何て綺麗な声なんだ!」と衝撃を受け、それ以降ドラマなどでも拝見していました。私も「まれ」(NHK連続テレビ小説)に出演して、近くで(土屋)太鳳ちゃんが身を削って頑張っている様子を見ていたので、充希さんが今どれだけ大変なさなかにいるかよくわかります。とにかく足を引っ張らないように頑張りたいと思います。
フィリップ・ドゥクフレ コメント
「わたしは真悟」は偉大な漫画家、楳図かずお氏が描いた、2人の子供“真鈴”と“悟”の思いもよらないラブストーリーです。2人の遊び道具だったロボットに自我が宿り、“真鈴”と“悟”の特異な子供、“真悟”が誕生します。ロボット“真悟”の視点から語られる、大人たちの狂気渦巻く工業化された世界で葛藤する子供たちの物語は魅惑的で、私はすっかり心を奪われました。
今回私は、2人の素晴らしい日本の女優さんとご一緒する機会に恵まれました。お2人には驚かされるばかりです。高畑充希さんの純白さと表現者としての素晴らしい力量が、“真鈴”の繊細さ、そして楳図かずお氏の作品に漂う恐怖の空気を、舞台にもたらしてくれるでしょう。そして門脇麦さんの聡明さと表現の奥行きは、制御不能で複雑な“悟”を表現する上で大きな強みとなるでしょう。
この予測不可能な物語を、ミュージカルとして新たに創造すると思うと、本当にワクワクします!この作品が間違いなくユニークな経験となることをお約束します。