発達障害や精神疾患を標的とするカウンセリング詐欺等の特徴をまとめてみた

 

発達障害や精神疾患に苦しむ人々やその家族をターゲットとした詐欺や悪徳商法はとても多い。

疾患名、障害名、カウンセリング などのキーワードで検索すると、トップ10以内に複数の詐欺師のサイトが上がる。

それら詐欺サイトに「これは詐欺です」などとは書いてない。代わりに、「~専門のカウンセラーです」とか「~は治る」などの頼りがいのある言葉が前面を飾る。

日本でしっかりと治療を受けようと思い立ち、自分でカウンセラーを探そうとネット検索すると、高い確率でカウンセラー詐欺に遭う。その件については、2年ほど前からたびたび言及してきた

このブログの読者さんも、カウンセラー詐欺に遭っている。

「ブログ拝見しました。私も勇気を出して治療を受けてみようと決心しました。がんばります」とメッセージがくる。

数か月後、再びメッセージがくる。

「なんか、騙されちゃったみたいです。すごい金額取られて、内容はモラハラで...」

聞いていると、「~障害専門のカウンセリング」と称したマルチ商法を基盤としたスピ系の療法へ行ってしまったことが分かるのだ。

同様のことが複数あった。私に報告などしない人のほうが多いだろうから、その数は相当に上るのだろう。

そのような詐欺師のサイトで、カウンセラーの資格を見ると、「~カウンセリングマスター資格取得」等のカウンセラー養成を謳う組織のものであったりする。でも、それが信用に値しない組織であるとは知っている人にしか分からない。

知らない人にはなにかすごい専門家のように聞こえるかもしれない。「カウンセラー」を名乗るのに資格も学歴もいらないという事実は一般には知られていない。

つまり、誰かがある日突然、

「私はカウンセラーです! カウンセリング業務を行います」

と、個人ブログで宣言し、客をとり、カウンセリングを行い、料金をとっても、OKなのだ。

カウンセリング行為を業務独占資格とする資格はない。臨床心理士は名称独占資格であり、資格がなければ臨床心理士を名乗ることはできないが、資格なしに同様の業務を行うことは可能である。つまり、「心理カウンセラー」等を名乗り、カウンセリング業務を行ってもよい。誰でもなれる。誰でもやれる。

心理療法の専門家と呼べるのは、臨床心理士、あるいは将来的には加えて公認心理師の資格をもつ人々という認識は、一般的ではない。もちろん、臨床心理士であってもスキルに乏しかったり、臨床心理士ではなくても十分なスキルがあり良心的なカウンセラーは少数なりとも存在するだろう。だが、それはネット上では見分けがつかない。そしてこれらの詐欺的商売は野放し状態。病や障害に苦しむ人々を洗脳し広まり、勢いがやむ気配もない。

私は今回、自分の観察した範囲内のことではあるが、これら詐欺的商売の特徴について書き留め、注意喚起を行うことにした。

書いたら、この商売はオイシソウだ、と思う人々が現れたり、こういうスピ系も癒されそうだ、と思う人々が現れるのでは。

それも思った。

それでいて、詐欺について啓発するリスクよりも、ベネフィットのほうが遥かに大きいと判断した。というのは、大まかに三層に分類できると思われた。

 

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<騙されない層>は、怪しい商売をやる詐欺師の宣伝等を見聞きする途端に、「コイツはやばい」と気付く。

<知っていれば騙されない層>は、善良かつ良識のある人々であり、詐欺を嫌う。しかし、専門家のふりをした詐欺師の非常に巧みな商法に、善良である故に騙されてしまうことがある。

普段から善意で人に接っしている人々からすれば、想像もつかないような巧妙なやり方で接触してくる詐欺師の行動が、善意からきているように見える。そのまま仲良くなってしまい、結果的に騙される。

<洗脳される層>は、すでに現実から半歩踏み外している。現実世界で提供される医療、療育、カウンセリング、支援、全てに絶望し、不信を抱いている。そこで標準的な医療では提供されないミラクルのようなものを探している。実証されていなくていい。危険を伴ってもいい。詐欺師との接触前から詐欺師の誘う世界を志向している。

この<洗脳される層>に属する方々にとっては、今回の記事の存在は不毛であり、おそらく読もうともしないだろう。また、私にはこの層に属する方々への対応法等の知識が欠けている。したがって、今回の記事は<洗脳される層>に向けて書かれていない。

今回の記事は、<知っていれば騙されない層>を想定している。この層は最も一般的であり、どちらにも転がり得るという点において最も柔軟だ。

友達に誘われた当事者の集まりに参加して、そこで知り合ったスピ系の人と話していたら、良い治療法があると言われ、始めてしまう。

親の会でなんだか変な勧誘している人がいるけど、つらい時にせっかく友達になれたのだから仲良くしていようとして、これで治るという商品を購入する。

友達の始めた商売だから、よく分からないけど、とにかく応援しようと思い、SNS等で拡散させる。

それがマルチ商法であるとは気づかない。

けれども、こういう詐欺の手法があると前もって知っていれば、大多数の善良な方々は気をつける。知らないでいると、疑いを挟むことなく騙され、他人を誘い、被害を拡大させてしまう。

振り込め詐欺だって、今では知れ渡っているからこそ、大抵の人は騙されない。知らぬままより、知るほうが、強力な盾となる。

以下にリストアップした詐欺の特徴は私が個人的に見聞きした範囲内でまとめたものだ。

 

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1.「治ります」と言う:弱っている人が聞きたいセリフを連発する

治りますよ。後遺症もなく、きれいさっぱり治ります。

標準的な治療の場では聞けないセリフを聞かせて、絶望していた心に希望の光を当て虜にする。治る・治らないの二元論で分かりやすく語り勧誘する。

 

2.標準的な医療を否定する

病院に行っても、治らなかったでしょう。薬漬けにされたでしょう。お薬では治りません。療育?アセスメントばかりやって、治らなかったでしょう。いつまでそんなこと続けてるの?

その人が受けている標準的な支援を否定し、心に疑いの種を植えこむ。そういえば、あんなに頑張ったのに治ってはいないな、薬の副作用に苦しんだな、と疑いの思考を萌芽させ、標準医療をやめさせ、トンデモ療法世界の維持に貢献する住人を増やす。

薬物治療を否定するだけではない。予防接種の話に発展し、「~障害を発症したのは、ワクチンのせいですね」

すると一部の親はその反ワクチン思想に飛びついてしまう。自分のせいではない、子供のせいではない、ワクチンが悪いんだ。これで全てが説明できるような気がしてしまう。

 

3.やたらと専門家ぶる

私は(障害名・疾患名)の専門家です。

専門家などではない。その障害名・疾患名で絶望的に苦しんでいる人々がいると知った日に、その専門家と自称することを決定したのだ。多くは、専門家を名乗れる資格も、その分野の学位も、知識もない。一般教養すらない。人の心に生じた不安に鮮やかに入り込み、洗脳していく技の巧みさにかけては専門家と言えるかもしれない。

 

4.専門家と名乗る割には専門が多岐すぎる:万能を謳う

うつは治せます。発達障害は治せます。ACは治せます。アトピーは治せます。喘息は治せます。花粉症は治せます。癌は治せます。不登校は治せます。ひきこもりは治せます。DVは治せます。浮気は治せます。不運は治せます。貧乏は治せます。

さて、その「専門家」の氏名を検索してみると、あらゆる病、障害、悩みごとの専門家であることが判明する。おかしい。専門とは小さな世界なのに。

「AC専門のカウンセラーです」とかも変だ。虐待やネグレクトの記憶、トラウマ等は通常の心理士なら特にそれを専門と設定することなく対応できるところのものであろうから、AC専門と名乗るのはおかしい。だいたい、ACなどというほぼ俗語に属す用語で客引きってのは変だろう。

しかしACのことで相談したいと思う人は、「AC カウンセラー」で検索してしまう。そこのところを、似非カウンセラー達は知っているので、「AC カウンセラー」で検索すれば上位に出てくるようSEO対策に余念がない。

やってみましょうか。

こぎれいで一見怪しそうに見えないカウンセリングサイトが続々と出てくる。そこに臨床心理士は見当たらない。

同様のことが、「不登校 カウンセラー」の検索語コンボでも生じる。不登校カウンセラーと名乗る人達は似非カウンセラーと思ってほぼ間違いない。他にも「(疾患・障害名) カウンセラー」で検索すると怪しいのがトップに出てくることが多い。

それでいて、何でも治ると万能を謳う。万能系のカウンセラーに

「なぜ何でも治るんですか?」と質問すると、

「量子場が・・・」とか、「思考は現実化する」とか、「ハイヤーセルフが・・・」とか、妙なお話が聞けたりする。万能を謳うスピ系とかカルトの、なんというか、それはトンデモ系の言説なので、そこにエビデンスやら論理性やらは期待できない。それでいて「きちんとした理論です」と堂々と述べる。奇怪だ。

 

5.その病を自ら克服した(子供を克服させた)経験で治せると言う

私自身が克服した方法を伝授しましょう

これを言うのは、ふたつ理由がある。

ひとつに当事者の集まる場に参加する口上が得られるからである。たくさんの鴨が集まる池があるなら、そこに行って狩りをしたいでしょう。「私も同族の鴨のふりをして同じ池を泳げば、仲間だと思って油断した鴨がたっぷり手に入る!」

ものすごくフットワークが軽くて、オフ会、親の会、当事者の集まる場に、いそいそと出かけていくので、すっかりお馴染みさんとなっていたりする。コワい。

もうひとつは、一部の当事者から信用されるからだ。自分の病を経験した治療者でなければ自分の病のことは理解できない。治療できない。そう信じている人々がいる。その人たちをごっそり狩ることのできる万能網が、「かつて私も同じ病にあり、克服しました」というセリフ。

医師にも臨床心理士にも、かつて同様の病に苦しんだ人も、克服した人も多くいるだろう。だが、そのような自己開示が与える影響についてプロなら慎重に考える。安易に患者に向かって口走り歓心を得ようと試みたり、「かつて私も病んでいました」などと前面に掲げて客引きをしたりしない。

 

6.選民思想を植えつける

(障害名・疾患名)のお子さんは才能があるのですよ。常に普通の人と感じ方が違うのは、神に選ばれた使者だからです。

普通の子供と様子が異なる。普通の人の感じ方に共感できない。

それは発達障害や精神疾患を抱える多くの人々が悩むところのものであり、それが多大な自己否定感をもたらしている場合がある。そこに、突然、「選ばれし者!」とくる。生まれて初めて特性を讃えられるのだ。心を奪われる人もいるだろう。

「ライトワーカー」とか「クリスタルチルドレン」とか言ってきたら、要注意。

 

7.法外な料金

私ほどの専門家が行う施術が安いわけないでしょう。今しっかり投資しておけば治るんですよ。良いものは高い。いつまで安物買いの銭失いを続けるつもりなの?

似非カウンセラーの世界は無資格なのだから安いのだろうと思ったら大間違い。なんと専門家が行うカウンセリング料金の何倍もの額を要求したりする。資格もない、スキルもない、それなのに一回のセッションや講座に何万円も要求したりする。値段だけが超一流。

高額を払うと、それ故に達成感を得たり、大きな具体的な一歩を踏み出した気がしてしまうものだ。

また、効果がないと伝えてみても、何度もやらなければ効果がないのだと堂々と返される。さらなる高額講座やカウンセリングを勧めたり、やり方が悪いからダメなのだとバカにしたりする。クライアントをバカにするスキルも超一流である。自分に能力もスキルもないという事実は絶対に認めない。代わりに、それをさらに儲ける方便に変えてしまう。

 

8.不安を煽る

精神科の薬なんて飲んでたら殺されちゃいますよ。薬をやめて私と一緒に治していきましょう。

不安商法でお馴染みのやり方。「悪霊がついているので壺(印鑑・数珠・宝石・自己啓発講座等)を契約するといい。早くしないと、死んでしまう(病気になる・運が悪くなる・財産を失う等)」と言葉巧みに不安を植えつけ、高額商品やサービスを売りつける。

いかにも寄り添い、共感するふりをしつつ、実のところは不安を植えつけ、商品やカウンセリングサービスを購入する以外に助かる道はないと説得。儲けようとする。

突然断薬させられたりしたら、それこそ死んじゃうかもしれないだろ。

「ワクチンを打ったら死んでしまう」、「牛乳は毒」という不安を煽る宣伝言説も発達障害界隈では多い。そう言って、ナチュラル・無添加を謳う商品を売りつけたりする。

 

(障害名・疾患名)では一生働けないでしょ。私と一緒に治していきましょう。

働けないのは本人の努力だけではどうにもならなかったりする。インクルージョン・多様な人々が差別を受けずに働きやすい社会を推進する視点は全くなく、本人を追い詰め、不安を煽り、高額サービスを売りつける。

 

(障害名・疾患名)のお子さんはいじめられますよね。不登校になりますよね。私なら治してあげられます。

いじめられるだって? 変わるべきは障害児ではなく、障害児をいじめるほうだ。このように、本人に責任のないこと何もかもを本人のせいにして、本人が変わらなきゃいけないことにして、不安を高め、絶望させていき、金を取ろうとする。けしからん。

 

9.金持ちアピール・セレブアピール

私は豪邸に住んでいて、高級車にしか乗らないの。いつも素敵なレストランでランチしているの。あなたは? えっ、貧乏なんですか? そうねえ、お金持ちになる方法、教えてあげましょうか。

詐欺師のセレブアピールはすごい。カウンセリングを売りつけ、そのカウンセリングの場では、自分の自慢話をクライアントに連発する。どんなに儲かっているか嘘みたいな話を語り続ける。

嘘なのだ。

嘘をついてまで、何をやろうとしているのか。

勧誘しているのだ。同業者になりなさい、ということ。精神の病を治療するとか、カウンセリングをするとか、そんなことは口実でしかない。基本、マルチ商法なのだ。講座を受け、あなたがこのカルトに入信すれば、詐欺師は同業者を集めた高額講座を開催して、さらに儲かる仕組みとなっている。

 

10.「すごい人がいる」と複数の周辺関係者が個人的に宣伝する

~さんはすごい人です。本当に治してしまうんです。本当にすごいです。

これはステマ行為。個人ブログ、SNS等で、個人的感想の衣を着せた広告を発信する。グルなのだ。

こういう連中の周辺を観察していると、特定の障害児の親をターゲットにしていることが分かったりする。Aさんは「~障害児のための体操教室」、Bさんは「~障害児のためのカウンセリング」、Cさんは「~障害児のための英語教室」をやっていたりする。囲い込みだ。互いの商売をステマ行為で広告し合う。

本当にすごい。その通りだ。仲間同士で共謀してまで、苦しむ親子を囲い込み、カモの骨までしゃぶるように最大に利益を抽出しようとする。

 

11.フェイスブックに頻繁に出没する

フェイスブックの発達障害当事者・親の会グループ等に、当事者と自称して入り込む。そこで自らの商売を売り込む。コネクションを広げ洗脳し次々に勧誘していく。

フェイスブックは実名なので、発達障害児を持つ親の名簿が実質上タダで手に入る場である。マルチ商法が新たにターゲットとする発達障害親子情報がリアルに入ってくる。極めておいしい狩場だと思っているのだろう。

最も狙われやすいのは障害児の親のグループだろう。子供のためならいくらでも金を払う人がいるからだ。成人用の精神疾患のグループなどは、さほど狙われない。金ないからね。

 

12.お友達から始める

当事者の集まる場や親の会、支援組織の活動に通いつめることで、親しくなり、友達になる。そして洗脳する。

あとは、友達が広告してくれる。当事者の活動が築いてきたインフラは、マルチ商法の詐欺師にとっては、無料広告宣伝ツール。ターゲットを的確に定めた広告が無料でできて、啓発活動の名のもとに勝手に広めてくれるなんて、こんないいことないだろう。

ネット上の支援サイト、交流サイト等も狙う。当事者を自称して、入り込み、徐々にメンバーを侵食していく。

そしてまともな人々は勧誘のひどさに耐えられなくなり、去って行く。このようにして、多くの人々の努力により長年にわたって築き上げられた当事者のインフラは、いとも簡単に乗っ取られる。

 

13.教祖がいる。教祖は科学を標榜している

私は宇宙の成り立ちを理解したのです。これは私が発見した理論であり科学なのです。

怪しげなカウンセラーや商品を売りつけてくる人が使うタームを検索してみると、奇妙な組織のサイトに辿り着くことが多い。そこで、上記のようなセリフを見かける。

理論でも、科学でもない。ただの思い付きである。

この教祖の下に洗脳された複数のメンバーがいて、またその下に上のメンバーたちの洗脳したメンバーがいて・・・とヒエラルキーが形成されている。ネズミ講なのだ。すべては教祖に金が回るようなしくみができている。そして一度入り込んだら、普通の世界にはまず戻れない。別の世界に行ってしまったと思っていい。

 

14.体験談で勧誘する

今日は、クライアントさんが、とってもステキなメールをくださいました。ご紹介します。「私を癒してくれたカウンセラーさん、おかげさまで子供も治りました・・・」

本当のことであるなら、プライバシーの点で問題があるし、自作自演なら、それも当然問題であり、いずれにせよ、ふざけるなとしか言いようがない。

 

15.褒められると異様に喜ぶ

皆さんが、私を慕ってくださり、私は幸せです。私のカウンセリングを受けたいと言ってくださり、とても幸せです!

これは、最後の項目としたが、褒められると異様に喜ぶというのは、カウンセリング詐欺師の必要条件ではないかと思われるくらい、おしなべてこの連中は褒められると喜ぶ。奇怪な印象を振りまきつつ、そんな自らの与える印象など全く気にも留めない様子で、ひたすら、喜ぶ。

褒められることを執拗に求め、褒められることに依存し、なにやらひどく痛々しい感じなのだ。

よく分からないが、とにかく怖い。

 

自衛のために


元々よく知らないのに、妙に親しくしてくる人は要注意。

会話から心の隙を探し、弱みを見つけ出し、そんな悩みは簡単に解決できますよと巧みに勧誘してくる。

こういう危険なビジネスが盛んに勧誘を行っている状況において、当事者が集まる場や、親の会などで、親し気に話しかけてくれるからといって、話を聞いてくれそうな雰囲気を湛えているからといって、よく知らない人に、心の苦しみをさらけ出すのは危険である。

常に毅然として、決して妙な話を聞かないスタンスをとっていれば、詐欺師は近寄ってこない。代わりに他の毅然とした人達の信頼を得られるので、繋がりを得て支え合うことは可能だろう。

科学的に論破しようとしなくていい。時間の無駄だ。

洗脳されてしまった人を説得しなくていい。「私は正しいことをしているのに」と一層頑なになり、さらに怪しい活動にのめり込むだろう。

また、当事者が集まる場は開催者次第でその安全性が決まる。おかしな勧誘やステマ行為を始めた者については、その場で退場、退会していただくような断固としたスタンスが必要となる。運営のしっかりしている自助会、当事者会はルールが明記されているので、その点を確認しておくとかなり安心して参加できる。会の外で会ったりリアルの場で友達になることを禁止しているところも多い。

SNSのグループ等なら、主催者が即ブロックをかけなければ、グループ全体が汚染される。当事者用交流サイトも同様。ただし、主催者が詐欺師を見分けられない場合、対応は期待できない。

カウンセリング・セラピーを受けたい場合は、医療機関を通して手配し、自分で探さねばならない場合は、通常のネット検索は避け、http://www.jsccp.jp/near/ あたりで検索するほうが賢明だろう。

大切なのは、安全であると確認できないような商売に金を落とさないこと。大金を落としていく人がいるから、ここまで悪徳商法が潤い肥大化したのだ。

 

キーワード


以下のようなキーワードを駆使して勧誘してくる連中とは関わってはならない。もちろん、日常の自己啓発として個人的に心掛けているようなレベルなら問題ないが、「これで治りますよ!」と他人を勧誘するようになった人とは関わってはならない。このようなタームはすでに大量にあり、しかも次々に量産されているため、注意が必要なタームは以下に羅列した限りではない。多くは共通してマルチ商法の手法をとっている。

 

波動 量子 言霊 子宮 オンリーワンレシピ 自分軸 仙骨 頭蓋骨 チャイルド 自分原因説 修正文 フラクタル 100%自分原因説 酵素 マクロビ シンクロ アセンション 前世 霊感 幸運体質 ライトワーカー パラレルワールド アファメーション チャネリング インディゴチルドレン クリスタルチルドレン レインボーチルドレン エンジェル ハイヤーセルフ 糖鎖 オーラ 遠隔ヒーリング ワンネス 運気アップ 宇宙 交信 原始反射 脊椎ガラント反射 ランド―反射 恐怖麻痺反射

 

最後に、文化的・社会的な視点から


ところで、自ら克服しました系カウンセラー等のグローバルな実態が知りたくて、英語で様々な検索語を使って検索してみたが、見つからない。似非カウンセラーの活動が活発なのは日本独特の状況のようだ。

心細くなったときに、頼れるものがなくて、親し気に近づいてくる人や組織に一気に頼ってしまうのかもしれない。普段から教会に通うような生活をしている人は、心が折れそうになったら、教会のグループに参加して、気持ちを語り合ったりする。そのような精神的な話を日常的に共有できる場が、話を互いに真摯に聴き合えるような場が日本には少ない。

精神疾患や発達障害関連の悪徳業者に騙されてしまった人々が泣き寝入りせず、相談できる窓口が身近にあるといいと思う。物を売りつける商法に騙された場合は比較的分かりやすく、相談しやすいが、カウンセリング等のサービスは形がなく、分かりやすい証拠が残らないことが大きい。だからこそ盛んになるのだろう。有効な規制や救済措置がほぼゼロであることも、状況をさらに悪化させているように思える。

 

 

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