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EUの納税開示案に反対 企業の機密情報懸念

 経団連は19日、欧州連合(EU)域内で事業活動をする多国籍企業に対して納税情報などの開示を義務化させる欧州委員会の新規制案に、反対する提言を公表した。同日、欧州委などにも提出した。

 欧州委が今月12日に公表した新規制案は、EU域内で事業を展開し、全世界の売上高の合計が年間7億5000万ユーロ(約922億円)を超える多国籍企業に対して、EU域内のそれぞれの国ごとの納税額や利益などをホームページなどで開示するよう義務づけるものだ。経団連は提言で、欧州委の新規制案について「懸念する」と批判する姿勢を表明。納税額などの開示は「企業の機密情報を含む」として反対した。

 税制の国際ルールづくりを担う経済協力開発機構(OECD)も多国籍企業に納税情報の提供を求める仕組みの導入を決めているが、企業の納税情報は親会社が所在する国の当局間でやり取りするとされている。欧州委の規制案はOECDの仕組みを厳格化したもので、経団連は欧州委に対して「(OECDで決まった)国際合意は必ず順守すべきだ」とした。

 国際的な課税逃れを巡っては、租税回避地(タックスヘイブン)での取引を暴露した「パナマ文書」をきっかけに、対策を強化すべきだとの議論が高まっている。欧州では近年、アイルランドなど一部の国が過度な税制優遇をすることで、米グーグルやスターバックスなどの企業の課税逃れを誘発していたとして問題となっていた。

 経団連は提言で、OECDによる取り組みについて「企業間の競争条件の均衡化につながる」と評価する一方、「事務負担の増加や二重課税の拡大が懸念される」との懸念も示した。【横山三加子】

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