こんにちは、錠前(@jomae_yasushi)です。
こんな記事を読みました。
ポリティカルコレクトネス、すなわちあらゆる差別的発言・行動を排するべきだよね、という考え方についての記事で、ポリティカルコレクトネス自体に関しては私はおおむね賛同します。
けれど、記事中にもあるように、どちらか一方が絶対的に正しいとは言い切れないケースが多いのも確かで、慎重な比較衡量が必要ですわよね、なんて思いながら記事を読み進めるうちに思い出したのが先日の『スッキリ!!』での一件。
お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜さんの容姿いじりを番組内で行なったところ、ゲストのアリアナ・グランデさんはピクリとも笑わず、CM中近藤さんに「あなたは可愛いわ」と声をかけたというもの。
この話を聞いたとき、いやもうホントこういう内輪ノリやめてよホラ恥ずかしいんだからさ~……と赤面してしまいました。
目の前で誰かが容姿を馬鹿にされているのを笑うなんてあり得ない、というアリアナさんの感覚は至極まっとうだと思うし、これまでそういう笑いを許容していた人には、今一度自身のスタンスを考え直してみてほしいな、感じました。
ただ、難しいのは、こういった容姿への差別的言動をとっている側にはおそらく何の悪気もないし、それを許容する文化・環境の中で感性が育まれているので、今さら周りがああだこうだ言っても根本の感覚を変えるのは困難なのだろうな、という部分。
「俺らがやってること、そないに非難されなあかんようなことですかね?」くらいの温度感で開き直る人もいるのかも…という絶望が頭をかすめます。
かく言う私もそうした言動を許容する文化・環境の中で生まれ育っていますから(日本のバラエティ番組を見て笑ってきたし、実生活においても同じようなもん)、ブスいじりをする芸人さんサイドの感覚も正直理解できるし、誰かの指摘を目にしなければ、それをおかしいとも思わなかったかもしれません。けれど、理性的なのは明らかに前者の態度で、そこを啓蒙された今、いっしょになって春菜さんを笑うことはできねーわ…といった心持ちです。
本人がそれでいいと言っている、それで飯を食っているのに仕事を奪う気か、などの反論もあるかと思いますが、他人の容姿を公然と馬鹿にすることの是非を問うているのであって、どんな理由があってもそうした行為それ自体は正当化されないと考えます。
合意があるから殴っていいのかというとそうではないし、金を渡すから殴っていいということも決してないと思うんです。
自尊心を根こそぎ奪われるような目にあってなおそれをネタに笑いを取りにいく春菜さんのたくましさには頭が下がりますし、そのスタンスは尊重したいですが、一方でブスいじりに対する毅然とした抗議の声も必要かと思います。
以前アジアンの隅田さんに関して、ブスと言われるのが嫌で休業したとの噂がまことしやかにささやかれましたが、テレビでブスブス言われ続けたらそりゃあ辞めたくもなるよ…とこちらまで何だか辛くなったことを思い出しました(真偽は不明ですが)。
そういう意味でアリアナさんの「あなたは可愛いわ」という春菜さんへの声かけには救われる思いがしたし、真っ当なことを言ってくれる人がスタジオにいてよかった~、と安堵しました。は~セレブかっこいい……
それでは今日はこのへんで。
さよ~
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